内容説明
日本人が大好きなマグロ。これはまた世界経済の縮図でもある。マグロの大消費地である日本をめがけ、北はアイスランドからアメリカ、ヨーロッパ、南はバリにアフリカと、各地からマグロが集まってくる。そして「黒いダイヤ」と呼ばれる超高級品の生のクロマグロ。なかでも人気の青森・大間産をはじめとする高級マグロを扱わせたら築地一と言われる男がいる…。築地に生きて四十余年、仲卸『内藤』の主、上田武司。マグロの裏も表も知り尽くした名仲買人が江戸っ子の闊達な口調で明かす、マグロのすべて。マグロを見れば経済がわかる。そしてグルメ話や河岸の内緒話もたっぷり。
目次
1 大間のマグロ
2 マグロが飛んできた
3 マグロ屋修業
4 マグロの基礎知識
5 マグロ経済学入門
6 これからのマグロ経済学
著者等紹介
上田武司[ウエダタケシ]
東京都生まれ。築地市場のマグロ仲卸『内藤』の主。若くして築地に入り、マグロ一筋に四十年以上のキャリアを持つ。最高級の生クロマグロを見極める目には定評があり、その顧客リストには超高級といわれる料亭や、今をときめく人気店がずらりと並ぶ
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感想・レビュー
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佐島楓
38
築地市場のマグロ仲卸「内藤」の主へのインタビュー。「トロはなぜ高いのか」「スーパーのマグロが安いのはなぜか」など、マクロ経済学ならぬ「マグロ経済学」の講義が気取らぬ口調で受けられる。単純にマグロを消費するだけでなく、漁業の裏側に思いをはせるだけで世界は広がるし、漁業や流通業に携わるすべての方々に感謝の念がわきます。2015/04/30
Humbaba
9
誠実に仕事をこなすからこそ、それを認めてくれる相手が現れる。ただお金を持っているだけでは何にもならず、それを意味のある所へと投資する。もしも自分の目利き違いで失敗したら、と尻込みするかもしれないが、そうやって行動して一番を目指さなければ目立たないうちに衰退してしまう。2017/02/19
中年親爺
2
楽しく、マグロの奥深さを学ぶことができました2012/11/12
Humbaba
2
魚は,値段が高いからと言って,必ずしもその商品が高品質であるということを保証してはいない.無論,魚にかぎらずすべての商品の値段は需要と供給によって定まるが,その中でも魚は目利きが必要であり,そして状況により値段が乱高下する商品である.2012/05/06
ライムとザクロ
2
当時の公民の先生に借りて読んだのは良い思い出。マグロにまつわる話の数々は非常に興味深かった。 7点/102006/01/07