内容説明
大徳寺の松から銀閣寺の椿、泉涌寺の紅葉まで、二十五章にわたり、京都の四季を彩る美しい花と草木の一番の見どころをたずねあるく。谷崎の『細雪』の姉妹が愛でた桜、平安神宮神苑の紅八重しだれ。秋の嵯峨野に野遊をした定家ら往日の歌人たちが詠んだ萩の花。京の隅々にまで精通した著者しか知り得ない裏道をたどると、そこには思いもかけない佳景があらわれる。それぞれの花と情景にまつわる和歌、歴史、博物学も紹介され、京都ならではの魅力を伝える。
目次
松
南天
梅
柳
椿
山ざくら
糸ざくら
山吹
藤
かきつばた〔ほか〕