内容説明
1894年の冬、ロンドンの高級住宅街ウエスト・エンドで凶悪な殺人が発生した。殺されたのは、悪名高い劇評家。ついでオペラのコーラスガールが惨殺された。二つの事件の捜査にわれらがシャーロック・ホームズで乗り出した。ホームズとワトスンは、バーナード・ショウと語り、オスカー・ワイルドに会い、ブラム・ストーカーの行方を追う。奇人変人だらけの演劇の世界に潜入したホームズの周囲で起こる怪事件の結末は?名作『シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険』の続編、ここに復刊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紗窓ともえ
4
「シャーロック・ホームズ氏の素敵な挑戦」の続編ですが、話の続きではありません。前作とは別の時系列で起こったウエストエンドの連続殺人です。歴史的な演劇人(バーナード・ショウとかオスカー・ワイルドとか…)が登場して興味深いです。でもニコラス・メイヤーとしては前作を超えていませんね。 未翻訳ですが「カナリアのトレーナー」というメイヤー氏のもう一編があり、どうやら前作でフロイトの元をバイオリンを手に去ったホームズが偽名でパリのオペラ座へ、オーケストラ員として雇われ、怪人と対決?らしく、それが読みたい‼️2018/12/25
みしな
0
普通の正統派パスティーシュとして楽しめましたが、やっぱり素敵な冒険の方が新鮮でひねりがあって面白かった。あとは、ワトソンが書いたと銘打ってるにしては残酷な描写が気になったのと、最後の方はちょっと無理やりだったような…?
みや
0
☆☆☆2003/08/22
紫草
0
犯人と動機は思いがけないものでおどろいた。バーナード・ショウやオスカー・ワイルドのような、後に有名になるホームズと同時代の人々とホームズを絡ませるのは、パスティーシュならではの、おもしろい趣向ですね。やっぱりホームズおもしろい。それに、懐かしい。また読み返したくなりました。2013/06/25
hroko
0
オスカー・ワイルド、ジョージ・バーナード・ショウ、ブラム・ストーカーなど、ホームズの正典の時代の実在の人物を登場させたパスティーシュです。演劇関係者の殺人事件の捜査は、ホームズシリーズのパスティーシュとしては、悪くないと思います。ホームズ物の長編的な犯人の背景説明なども、悪くないです。注釈もあり、それなりに時代背景などの蘊蓄も楽しめる、佳作という感じです。2012/08/19