出版社内容情報
夏休み直前、高2の泪(るい)のもとに、わだかまりがあるまま別れた中学時代の親友から手紙が届く。翌日、彼女に会うため電車に飛び乗るが…。なぜか、ほぼ初対面の3人――気さくで人気者の時任、お城が好きな代々木先輩、家に帰りたくないひなも一緒に行くことになって…!? 道中では思いもよらない出来事が起こる。奈良、大阪、兵庫を駆ける青春ロードストーリー!
舞台となるのは、大和西大寺駅、大阪駅、神戸駅、加古川駅、姫路駅、播州赤穂駅、鶴橋駅。
『アオハルの空と、ひとりぼっちの私たち』の著者が送る、真夏の青春!
(下記、本文より)
もう、戻ることはできない。
次の駅で降りてもらうことは可能だけれど、そうしようとは思えなかった。
だってもう、わたしたちは一緒に、電車に乗って進み出しているから。
そしたらもう、はじめるしかない。
「ふ」
なぜか、笑みがこぼれた。
もしかすると、うきうきしているのかもしれない。
だからさっきから、体がどこか、ふわふわしているのかな。
姫路に行くことに。繭香に会えるかもしれないことに。いや、もしかすると、時任くんと代々木先輩と名前も知らない女子高生という、ほぼ初対面の三人と一緒に遠出することに、どうなるのかという期待を抱いているのかも。
こんなこと、少し前のわたしは想像もしていなかった展開だ。
このさきも、なにが起こり、どこに辿り着くのか、まったく予想ができない。
ただ、なにかが待っている、そんな気がした。
【目次】
1 ~ 1件/全1件
- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
20
高2の夏休み直前、泪のもとに届くわだかまりを抱えたまま別れた中学時代の親友から手紙。彼女に会うことを決めた泪が思わぬ出会いを果たす青春小説。駅で出会った気さくで人気者の時任、お城が好きな代々木先輩、家に帰りたくないひなも一緒に、奈良から大阪を経由して兵庫の姫路を目指す旅。ほぼ初対面の3人と一緒に勢いで始めた予想もつかない旅は思いのほか楽しくて、覚悟を決めて会いに行ったかつての親友との再会があって、決着をつけないと前に進めないのは分かる気がしましたけど、この旅で育まれた新たな絆には未来への希望がありました。2025/06/20
-
- 和書
- 図書館 建築設計テキスト