出版社内容情報
オルランド王国の伯爵令嬢クレアは、幼いころから霊を見ることができた。その噂は社交界にも広がり、レディ・ファントムという不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた。そんなクレアの唯一の親友ともいえる子爵令嬢アネットが、ある日亡くなってしまう。土砂降りの雨の夜、王都名物とも言える大階段から転落したのだという。事故か他殺か自殺か――。事故死として処理はされたが、真相は分からないまま。なぜ雨の夜に貴族の令嬢が、供も連れずひとりで出歩いていたのか。そんな中、王都の伯爵邸を刑事だという二人の青年が訪れた。クレアが幽霊から何かの情報を得ているのではないか、というような質問をぶつけてきて……?
2023年ノベル大賞準大賞受賞のヴィクトリアン・オカルトミステリー!
内容説明
オルランド王国の伯爵令嬢クレアは、幽霊が見えることからレディ・ファントムという不名誉なあだ名で呼ばれていた。ある時、唯一の親友ともいえる子爵令嬢アネットが亡くなった。転落死だった。他殺か事故か自殺か。葬儀は行われはしたものの、真相はわからないまま。そんななか、刑事だという二人の青年が伯爵邸を訪れ、クレアを疑うような質問をしてきて…?2023年集英社ノベル大賞“準大賞”受賞。
著者等紹介
栢山シキ[カヤマシキ]
岡山県出身。『レディ・ファントムと灰色の夢』で2023年ノベル大賞準大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
28
幼い頃から霊を見てきた伯爵令嬢クレア。レディ・ファントムと噂される彼女が唯一の親友・子爵令嬢アネットの死の真相を調べ始めるオカルトミステリ。土砂降りの雨の夜、王都名物とも言える大階段から転落したアネット。なぜ雨の夜に貴族の令嬢が供も連れず一人で出歩いていたのか。彼女の元を訪れた2人の刑事の青年とともに、死の真相を探るクレア。その中で明らかにされてゆくアネットの事情があって、それに不遇の死を遂げたパール王女の過去や、王都で暗躍する企ても絡めた何とも切ない物語の結末にも気丈に向き合うクレアの姿が印象的でした。2024/04/16
長峰
6
貴族社会の中で生きているクレアは霊が視える。親友が死んだ謎を解くために動き出したものの探偵を名乗るデュランに協力というか振り回される。その中で見えてきたのは美談とされていた王女の霊。女王さえも巻き込み解決といたるけど、霊さえも利用しようとした人間が一番怖いですね。死んだ存在さえ利用するのは人間だけでしょう。2025/08/13
栗山いなり
6
幽霊が見える事から不名誉なあだ名をつけられていた貴族令嬢が親友の死の真相に迫る物語。ミステリーかと思ったらホラー要素やファンタジー要素もあったりした作品。悪くはないんだが…今年は竜胆の乙女があったからどうしてもどこかで比べてしまうのか?2024/05/25
アヤ
3
幽霊が見えて、なんなら意思疎通も可能な主人公。親友の不慮の死の真相を探るべく、その特殊な能力を活かして、自称探偵と刑事と一緒に謎を解き明かしていく話。中世ヨーロッパ風の舞台。次作もありえる展開かな。取っ掛かるまでは時間がかかったが、クセある登場人物が出てきてからはノンストップで読み進めた。2024/05/05
よっしー
2
結構面白かったけど、これ、もし続きが出ないままだと多分モヤるな。2024/08/01