出版社内容情報
集う社員の数だけ、思い出の味がある――。
藤丸物産の社員食堂で働く杏子は、二か月前に会った社員を探している。
エレベーターホールでぶつかった時に優しくされ、ときめいてしまったのだ。
ただ、コンタクトが外れていたせいで、顔をちゃんと見られなかった。
手がかりは、「藤」の一文字。
至近距離で視界に飛び込んできた社員証で、唯一認識できたのがそれだった。
しかし、社員食堂は高い喫食率を誇るにもかかわらず、彼らしき社員はなかなか見つからない。
おまけに、先月入ってきたばかりの、ひとつ年下の調理師・渚にこき使われる毎日。
そんな折、社食に花見弁当の注文が舞い込み…?
内容説明
藤丸物産の社員食堂で働く杏子は、二か月前に会った社員を探している。エレベーター前でぶつかった時に優しくしてくれたのだ。ただ、コンタクトが外れたせいで顔はわからず、手がかりは、目に飛び込んだ社員証で唯一認識できた「藤」の文字のみ。だが、社食の利用者は多いのに彼はなかなか見つからない。おまけに、ひとつ年下の調理師・渚にこき使われる毎日で…?
著者等紹介
高山ちあき[タカヤマチアキ]
2009年ノベル大賞読者大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ツン
104
これ、続編につありますよね?無茶苦茶いいところで終わってるんですけど。。ナポリタンの話、とても良かったけど、ずんだ餅で察しろというのは無理ですよね。。相手の実家のことがあるから言えなくて、それでも言わずにいられなかったのかな。2022/03/07
kei302
53
おいしそうな表紙! 迷わず読む。藤丸物産で働きたくなる。ごちそうさまでした。ナポリタンのコツはメモメモ、特に、麺のもっちり食感の出し方。ずんだ餅の話がよかった。2022/08/08
坂城 弥生
52
美味しそうな料理が沢山。社員食堂の話なのでオシャレな感じではなかったけど素朴で美味しそう。ナポリタンお話が良かったです。2022/08/31
ぶんこ
47
藤丸物産の社員食堂が舞台。社食が自社で運営というのに、まずは驚きました。社員としての身分が保障されているからか?仕事への愛情が感じられて、気持ちよく読めました。入社早々、エレベーター前で男性とぶつかり、コンタクトが飛んでしまった杏子。ぶつかった相手が咄嗟に優しく頭を触ったのが忘れられない。その人の社員証の一部『藤』の字だけが見えたので、職場の人たちに「藤の君」と名付けられて、一目惚れの社員探しが始まる。素朴な杏子さんも、仲間たちも気持ちいい人!定年退職の日のナポリタンの話が好きでした。2024/05/18
スズ
43
コンタクトを落としてエレベーターでぶつかってしまった際に優しく対応してくれた男性社員。ボヤけた視界で見えたのは名札に書かれた「藤」の文字。藤丸物産の社食で働く杏子が、藤の字が入った社員との再会を夢見ながら、社員の方々の悩みを食で解決したり、グルメイベントや新メニュー作りに奮闘する恋愛グルメ。藤の君を巡る恋模様も面白いのですが、表紙を見ても分かる通りお料理の描写が非常に丁寧なのと、あまり読んだ事のない社食の厨房や裏側を舞台にしていて新鮮さがあって良かった。私の職場に社食はないけど一回食べてみたいと思いました2021/10/10