出版社内容情報
いつの時代も、仕事も恋も悩ましい。
宮廷で働く女性の活躍を描いた平安お仕事絵巻、重大局面へ!
皇統の奪還をもくろむ嵩那の叔母・入道の女宮の策略で、伊子と嵩那の関係が父・顕充の知るところとなった。
顕充は十六歳年上の伊子を一途に想う帝と話すという。
だが伊子の懸念はそれだけはなく……。
時は師走。
大晦日から正月にかけて目白押しの儀式に誰もが忙殺されるなか、女宮が参内してくる。
どんなたくらみを秘めているのか警戒する伊子だったが、儀式の最中、帝の目の前で皇統の不当を糾弾する声が家臣から突然上がり、くすぶっていた先帝への不満が爆発した――。
【目次】
第一話 易きに流される相手と、侮られてはならぬ
第二話 人としての芯さえあれば
第三話 姥桜とて、そう容易く枯れはせぬ
内容説明
皇統の奪還をもくろむ嵩那の叔母・入道の女宮の策略で、伊子と嵩那の関係が父顕充の知るところになった。伊子の懸念はそれだけではなく…。時は師走。大晦日から正月にかけて目白押しの儀式に伊子たちが忙殺されるなか、女宮が参内するという。警戒する伊子の目の前で、若き帝の皇統の不当を糾弾する声が家臣から上がり、くすぶっていた先帝への不満が爆発した―。
著者等紹介
小田菜摘[オダナツミ]
沖原朋美名義で2003年度ノベル大賞・読者大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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れみ
80
平安の後宮が舞台のミステリー、第5弾。大晦日から新年にかけて大忙しの宮中で、前の巻から登場した入道の女宮(嵩那の叔母)による、天皇の位を自らの系統に取り戻そうという策略、再び。少しこの辺の地の繋がりとかが複雑なので家系図とか欲しいかも。恋と尚侍としてのやりがいの間で揺れる伊子の行く末も気になるけど、若い世代にも強かなライバル(?)も現れたり…まだまだ油断のならない展開になりそう。2021/02/10
坂城 弥生
61
昔の身分の高い人ほど女を外に出したがらなかったのは男は女に裏切られたら子孫が残せない哀れな存在だからか、とちょっと納得。 今回は権力争いの色が強かったように感じた。2020/11/26
よっち
49
皇統の奪還をもくろむ嵩那の叔母・入道の女宮の策略で、父・顕充の知るところとなった伊子と嵩那の関係。大晦日から正月にかけて目白押しの儀式に誰もが忙殺されるなか、女宮が参内してくる第五弾。伊予の辞職を認めない帝と、儀式の最中に突然起きたくすぶっていた先帝への不満の爆発、宮中にやってきた嵩那の元恋人の弁の君。女宮の暗躍、新大納言と右大臣の衝突などで不穏な空気の中、嵩那の元カノに心穏やかではいられなかった伊予が印象的でしたけど、思ってもみなかった展開で咄嗟の嘘が今後の展開に波紋を投げかけそうですね…これは強敵だ。2020/12/24
はなりん
46
嵩那の元恋人が後宮に現れて…の巻。元恋人の存在にイライラソワソワする伊子。嵩那の東宮擁立への動きと、二人の関係、帝の想い。新たな恋敵も現れ、どんな決着になるのかしら?2022/08/13
kagetrasama-aoi(葵・橘)
41
「平安あや解き草紙」第五巻。『その姫、後宮にて宿敵を得る』大晦日から正月にかけての後宮行事は読み応えありました!取り仕切った尚侍の君、本当にお疲れ様でした。今巻でも桐子の子は誕生せず、気になります。帝に一人しか女御がいないのは不自然ですから(王女御は員数外)、新大納言の大姫が入内するのが待たれます。伊子の父の左大臣、藤壺女御の父右大臣、新大納言の縁戚関係がはっきり書かれていないので、勢力争いの構図が今一つはっきりしないところが気が揉めてなりません!尚侍の君はお仕事しているのがとっても楽しそうですね。2023/01/02
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