出版社内容情報
仙台の大学に通う青年・支倉爽太は、人には秘密にしている過去があった。
失意の底にいた小学校三年生の頃、幽霊が出ると噂のある海で溺れたことをきっかけに、遠い未来――2070年――へと時間を超えたことがあったのだ。
そして現代に戻れたあとも、未来で出会った年上の女性を忘れられずにいた。再会する方法など分かるはずもなく、気持ちを押し殺して大学とアルバイトに明け暮れていた爽太。
しかし、大学の室内楽サークルに入っている友人達の揉め事に関わる中で親しくなった八宮和希という青年に「おれは、過去から来た人に会ったことがある」と告げられて……?
大好評を博した『どこよりも遠い場所にいる君へ』に続く、様々な「出会い」の物語!
阿部 暁子[アベ アキコ]
著・文・その他
syo5[シヨウゴ]
イラスト
内容説明
仙台の大学に通う爽太には秘密があった。九歳のころに海で溺れ、遠い未来―2070年の世界へと時を超えて迷い込んだことがあるのだ。現代に戻ったあとも、未来で助けてくれた女性を忘れられずにいたが、アルバイトがきっかけで知り合った八宮和希という青年に「おれは過去から来た人に会ったことがある」と告げられて…?出会いと願いを描いた感動作!
著者等紹介
阿部暁子[アベアキコ]
岩手県出身。『陸の魚』で雑誌Cobalt短編小説新人賞に入選。『いつまでも』で2008年度ロマン大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
267
『どこよりも遠い場所にいる君へ』の姉妹編というよりは続編に近いですね。和希、幹也、高津さんにまた会えたのは嬉しいです。たとえ未来の先はわかっていても、精いっぱい全力で思い残さないように1日1日を前に進みたい。そう教えられた物語でした。だから、爽太よ!全力で駆け抜けてくれ!今を全力で駆け抜けていけば、きっと未来も変わるかもしれない。爽太、頑張れよ!とエールを送りたくなりました。爽太と五鈴にいっぱい幸あれ~!2018/11/14
さてさて
203
『どうか、あなた自身と、あなたが歩んでゆく未来を信じてください』。小学三年生の時に”遠い未来 ー 2070年 ー へと時間を超えた”主人公の爽太。この作品では、爽太が前作「どこよりも…」の主人公・和希と心を通じ合わせていく先に『信じよう、未来を』と自身の未来を見据える姿が描かれていました。未来の描写が興味深く登場するこの作品。「どこよりも…」→「まだ君に…」の順に読むことで物語の奥行きが何倍にも深まるこの作品。切なさ募る物語の結末に、書名に込められた阿部暁子さんの深い想いが浮かび上がる傑作だと思いました。2024/03/05
寂しがり屋の狼さん
168
前作を読んでから、かなりの時間が経っていたので、(*゚∀゚)*。_。)*゚∀゚)*。_。)ウンウンと登場人物を思い出しながら読み進めた…爽太達のピンチに和希が助っ人としてピアノを弾くシーンには鳥肌が立った。読み終えてタイトルと表紙の意味が解った時には清々しい気持ちに∩(´∀`)∩それぞれの想いが時間を越えて重なりあう素敵な物語でした。2019/06/22
SJW
137
「どこよりも遠い場所にいる君へ」の続編。今回の主人公は2011年の東日本大大震災で両親を亡くした爽太。爽太はその年に海で溺れ2070年の未来に1ヶ月半だけ滞在し五鈴に出会うが、現在(2021年)で五鈴に出会えると分かる。前作で離島の高校に通った尾崎と八宮も登場し爽太を支える。過去と未来が現在で出会うラブストーリー。是非、テレビドラマにしてほしい小説。2021/05/14
南北
131
「どこよりも遠い場所にいる君へ」の続編。東日本大震災で両親を亡くした爽太は小学生の頃、未来に行って戻ってきた経験があるのですが、その話を周囲に語ろうとしません。やがて大学生になり、音楽を通じて仲間も増えてきたり、前作に登場した和希と出会ったりしながら、前向きに生きていこうとします。颯太が未来で経験したことは決められた未来ではなく可能性の1つなのだというのは良かったと思います。2019/07/27