出版社内容情報
大学卒業後の進路を思い悩む正義の前に、不意にひとりの男が現れた。染野閑(しめのひさし)。正義の血縁上の父親だ。正義の誕生後に家庭内暴力が原因で離婚し、家を出ていたのだが、金を使い尽くして正義を探し出して近付いてきたのだった。話も通じず、何度追い払っても執拗につきまとわれた正義は、思い悩み次第に追い詰められていく。当然、正義の様子がおかしくなっていることに気付いたリチャードは悩みを聞こうとするのだが、店やリチャードに迷惑をかけるわけにはいかないと思った正義は、理由を隠したまま「エトランジェ」を辞めようとしてしまい……?(表題作『転生のタンザナイト』)
大好評ジュエル・ミステリー、第一部完結!
内容説明
将来の進路を思い悩む正義の前に、ひとりの男が現れた。染野閑。正義の父親だ。家庭内暴力で正義の誕生後すぐに離婚していたのだが、金がなくなり正義を探し出して近づいてきたのだ。何度追い払っても執拗につきまとわれた正義は、リチャードに迷惑をかけるわけにはいかないと「エトランジェ」を辞めようとするのだが…?大好評ジュエル・ミステリー、第一部完!
著者等紹介
辻村七子[ツジムラナナコ]
9月24日生まれ。神奈川県出身。『時泥棒と椿姫の夢』で2014年度ロマン大賞受賞。受賞作を改題・加筆改稿した『螺旋時空のラビリンス』で文庫デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
椎名みさの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
154
第1部完結。全編を通して凄く優しい物語でした。誰かを好きになること、相手を思いやること、信頼すること、時には甘えて頼ったり、人との繋がりが濃密でそこにはいつも暖かな交わりがありました。色々な角度から「人を愛する」ことを描いた作品だと私は感じました。リチャードも正義君も血縁が齎す呪縛から解き放たれ、救われたのが本当に良かった。この先何があっても大丈夫。彼等を結ぶ絆は簡単には壊れないから。二人の前途に幸あれ。冒頭と巻末の物語が第2部へ続く布石のようで読んでいて楽しかったです。また二人との再会を待っています。 2018/01/21
カナン
111
救われた、やっと二人とも救われた。殺したいほど血を憎み、絶対に誰も愛せないと諦めていた。死にたいほど血に呪われ、二度と誰も愛さないと決めていた。怖いと泣いている自分に耳を塞いで、寂しいと泣いている自分から目を逸らして。一巻でのあの出会いが、こんなに大きく彼らの運命を変えるなんて、なんて優しい「転生」の仕方だろう。人生は全て一期一会。宝石のように美しいのはリチャードだけではなくて、人は誰もがかけがえのない世界にただひとつの宝石。傷だらけになって磨かれて、助け合いながら新たな道を歩み始めた二人の続編に幸あれ。2018/01/20
ダイ@2019.11.2~一時休止
109
宝石商リチャード氏の謎鑑定その6。連作短編集。本作で第一部完らしい。実の父登場においおいとなりましたが第二部はどうなるのかな?2018/02/17
ううち
107
第6弾。今回は正義のお父さんのキャラが強烈でぞわぞわした。リチャードの言葉ひとつひとつが染み入るし、なにもかも素敵すぎで尊い…。これで第1部完とのこと。続き買ってあるけど勿体無くて読めない。2020/02/13
ひめありす@灯れ松明の火
90
そうか君達はそういう未来を選んだんだね。寄り添い同じ時を共有する事を、選べたんだね。どうして宝石がこんな風に徴用されるのかが、少しだけわかった気がする。それは長い時間かけて成るものだから。人より長い時間を、人と生きて、託された願いを届ける。別の何かと結びつく事によって魅力を増すものだから。その輝きは色褪せない。その強さは簡単には打ち砕けない。評価が時代によって二転三転するものだから。もし曇る事があったとしてもまた誰かの手によって甦る事が出来るから。そして何より美しいから。貴方だけの価値がある。人と同じ様に2018/04/07
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