出版社内容情報
蔵に眠る“いわくつき”の着物の管理を祖母から引き継いだ鹿乃。その着物も、とうとう最後の一枚に。「桜の園」と名付けられた着物は、西行の歌を書き置き残して失踪したという野々宮家の女性、英子のものらしい。家にある骨董などから英子の足跡を追う鹿乃たちだが、祖母が「叔母さんは、山で神隠しに遭うたんや」と言っていたと知る。神隠しの真相とは一体……!?また、野々宮家に一枚の着物が届く。送り主は良鷹の中学時代の同級生、津守亘。しかし、津守はつい最近、亡くなっていた。津守からの手紙には、着物に描かれた藤の色が消えてしまった経緯が書かれていたのだが……?最後の着物が導く、鹿乃・慧・良鷹の未来とは……!?大ヒットアンティーク・ミステリー、ついにクライマックス!
内容説明
蔵に眠る“いわくつき”の着物の管理を祖母から引き継いだ鹿乃。その着物も、とうとう最後の一枚に―。「桜の園」と名付けられた着物は、書き置きを残して失踪した野々宮家の女性のものらしい。彼女の足跡を追ううち、祖母が「叔母さんは、山で神隠しに遭うたんや」と言っていたと知る。神隠しの真相と、鹿乃と慧、そして良鷹、それぞれが未来に受け継ぐものとは―。
著者等紹介
白川紺子[シラカワコウコ]
三重県出身。同志社大学文学部卒。雑誌Cobalt短編小説新人賞に入選の後、2012年度ロマン大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
263
シリーズ最終巻で、番外編として「アリスの宝箱」が出ている。今回は3つの短編から構成されており、最後の短編は今までと違って良鷹が中心となって殺人未遂になる大きな事件を解決していくが、緊迫した話の展開に引き込まれてしまった。鹿乃、慧、良鷹の3人のお互いを思いやる話をもっともっと読みたいが、その3人に加わる幸との暖かい話をもっと読みたい。京都や四季、着物、骨董、昔の人々の話に思いを馳せながら読み進めた本シリーズを、何年後かのストーリーとしてもっも読んでみたいと想うのは私だけではないだろう。2018/10/15
れみ
217
鈴の音が聴こえる帯、桜が散る着物、藤の花が消えてしまった着物。鹿乃が祖母の芙二子から受け継いだ着物、最後のものは、最後にふさわしい持ち主と経緯のものだったし、やっぱり野々宮家はその血を引いた人もお嫁に来た人も女性がすごく強いとあらためて感じる。良鷹が主人公の表題作は彼らが関わることになった家の人たちがくせ者揃いでどうなるかと思ったけど未来を感じさせるラストになっていてホッとした。この巻で本編終了で番外編としてまた読めるみたいなので、どんなお話になるのか楽しみ。2018/02/10
さくらさくら
172
本編はこれで終了。今現在生きている私達には必ず何千年も繋がっている祖先がいる。繋がって受け継がれていく。それは今後も続いていく。ってこの作品を読んで思った。2018/11/20
ううち
155
第7弾。読み終えてしまった…。 今回も変わらず素敵な装丁で、3人の作るご飯も美味しそう。良鷹さんは鹿乃ちゃんに続き少女のお世話をする運命なのか。幸ちゃんの髪の毛を結い直すシーンが好き。着物はもっともっとあるのかと思っていたのに、ちょっと寂しくなりました。もう一冊あるようなので楽しみ。2018/08/09
mariya926
133
あとがきを読んでビックリ。なんと本編はこれで終わり、次のは番外編だったみたいです。蔵にあるいわく付きの着物や帯の持ち主に会いに行き、ほとんどはお祖母ちゃんの知人のために亡くなったりしているのに、それでも家族や知人に会ってヒントを探し出し、また込められた想いを見つけ出すことで解決していきます。その中で色々な人に会って色々な想いを知る中で、少しずつ両親や祖母の死を乗り越えていって、また新たに着物を集めることにした鹿乃。今回は兄である良鷹が悲しみで動けずにいたのに乗り越え始めました。京都弁が可愛すぎです。2019/01/03