内容説明
宿敵とも言える天才演劇家・榛原憂月の芝居の舞台に立たせないために、自室にケイを監禁し、最後の最後に彼を解放した響生。ケイは捨て身の演技で賞を受賞する。ケイを榛原から遠ざけつつ、響生は彼を自分の“魂の体現者”にすることを願う。だが、受賞を機に演劇界の注目を引き始めたケイのもとに、大きな一歩となり得る誘いが舞い込んだ。それは、有名演出家による準主役の話だったが。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
13
お互いの狂気と毒に蝕まれ、魅了されていき、無意識に執着する二人に「毒をもっと、もっと!」と諧謔心と嗜虐心が貪欲に渇望していきます。奥田さんの演劇指導は分かりやすく、連城の駄作に対する悲痛さは自分の汚らわしいものまでぶちまけなければ産み出せないことの苦しみが痛々しいです。ケイの諸刃の剣のような部分が明らかになりますがこの巻での真の「共演者殺し」はイラスト(特に目)や数ページの台詞なしの登場でありながら全てを持って行った榛原だと思います。シェイクスピアの「タイタス・アンドロニカス」を是非、榛原に遣ってほしい。2012/06/05
Melon Matsuda
7
続き読んだー! クッソ萌えてしょうがない☆ お互いラヴなんだから結婚しろ!と思うカップルがここにも一組(笑) あまりにもすごすぎて笑いを誘います。榛原の登場で、3巻も楽しみです♪2016/04/22
たろさ
4
加速度的に面白くなってます。これは、いったいどうなって行くのでしょうか。心配していた「共演者殺し」真摯に自分の役を演じれば演じるほど、舞台を壊してしまう。ケイのジレンマ。連城の想いと、執着。でも、なんだかんだ言って、連城、面倒見がいい。そして、とうとう、榛原本人の登場。…ただ、どうしても、「ガラ○の仮面」を彷彿とさせられてしまう。2018/11/06
tomino
4
たたみかける波乱と、すれ違う想いと、あとからあとか湧いてくる登場人物と、引きの強さにはまりつつある(笑)そのまま第3章よむよむ2017/11/15
晴久
3
一冊の中でいろんなことがありすぎて、連城さんとケイの様子を見守らなければならない周囲はさぞや大変だろうと思いました。刃物の出番が多すぎるよw基本的には連城さんに感情移入しながら読んでいます。一緒に苦しくなってしまうと、具合が悪くなりそうですね|д゚)芝居をやっていると、どんどん自分をさらけ出さなければならず、率直な物言いも多くなってしまう。自分を暴かれる感覚は、怖いだろうな。連城さんは心配で不安だらけですが、最初から連城さんとケイは惹かれあってるよ!その病みっぷりも含めて!と叫びながら読了。2015/06/16