内容説明
カリエがバルアンの王妃となって一年が過ぎようとしていた。いまだ懐妊の気配はないところへ、バルアンの妾妃でもある親友のナイヤが身ごもったとの報せを聞く。ナイヤを祝福しながらも、複雑な想いにとらわれるカリエ。そんな時、彼女はバルアンから聖なる山オラエン・ヤムに一緒に登ろうと誘われる。
著者等紹介
須賀しのぶ[スガシノブ]
1972年11月7日生まれ。上智大学文学部史学科卒業。『惑星童話』で1994年上期コバルト読者大賞を受賞
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感想・レビュー
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まりもん
21
またカリエに肩書きが増えた。ヨギナの総督になるとは。バルアンと離れて政治に関わることになるのかと思っていたらその勉強中に妊娠が発覚。そして久しぶりにエドがカリエの親衛隊長としてヨギナに来た。ラクリゼも侍女としてカリエの側にきた。でもラクリゼの理由はクナムの息子である弟からカリエを守ること。もうすでに狙いにきているようなので不安だ。2012/08/18
ゆり
18
カリエとバルアンが思っていたより普通に夫婦をやっていて驚きました(笑)。いや、普通ではないか、色々。カリエが無事に子どもを出産できてほっとしました。侍女組の声援が楽しい。ナイヤとの友情が損なわれていなかったのにもエドの再登場にもほっとしました。一方のルトヴィアでは、皇帝夫妻に暗雲が。まさかドミトリアスがこんな風になるとは……サラの豹変が辛すぎるし、グラーシカが一番辛すぎて胸をえぐられました。カリエの方にも危機が迫ってきていて、ラクリゼですら歯が立たなそうな相手で恐ろしい。2016/06/05
baboocon
15
正式に王と正妃となっても相変わらずなバルアンとカリエですね。女のカリエを聖なる山の頂上まで登らせたかと思えば首都から離れたヨギナの総督を任せるとか。ルトヴィアの方はいよいよドロドロしてきた感があって、読むのが辛い。人は変わるんだよな…。カリエは見事男児を出産するけれど、遂に伸びてくるザカールの魔の手が恐ろし過ぎる。ラクリゼがすっかり噛ませ…だと…?2012/04/01
ローリー
11
図書館で借りました。何のかんの言いながら読んでいるこのシリーズですが、やはりバルアンが好きになれないのは相変わらずです。今回久々登場のサラに関しては、こうなってしまうのかと暗澹たる気分になりました。最強だったラクリゼにも影が差し、出産を終えたばかりのカリエに未来はあるのか…。しかし、子供だ子供だと思っていたカリエもとうとう出産ですか。『帝国の娘』の頃が懐かしいです。出産の件で、安産だったにも関わらず初めての陣痛に、難産だったのかと言う辺りは、妻の出産時を見ているようでほほえましかったです。2012/11/10
Haru
11
敏腕・辣腕バルアン。やることなすこと、先を読んでいて素晴らしすぎる。ハッタリだってその口から出たとたん正論になってしまう強さ。そして逆にいつまで経っても苦労性なドーン。難題や不安材料が多くて心配。バルアンのような図太さがあれば、と思ってしまいます。サラとの展開は宮廷物では定番ですね・・・。カリエの幸せも束の間。まさかラクリゼ以上の存在がいるとは驚きです。しかし女神の娘が必要なのは分かるのですが、その子供までどうして攫おうとするのでしょう?2012/08/17