内容説明
被爆から六十年目の夏に、この物語は生まれました。ある小学校で実際に行われた、平和を考える授業。そこで語られた一枚の写真にまつわるお話です。
著者等紹介
天野夏美[アマノナツミ]
広島在住。中国新聞文化欄に「なっちゃんの漫画日記」、「あの子この子のひとりごと」を2年間連載
はまのゆか[ハマノユカ]
1979年生まれ。やわらかく透明な独特のタッチ、そして村上龍とのコラボレーションで広く知られる気鋭のイラストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベーグルグル (感想、本登録のみ)
46
とても良かったです。戦争の悲惨さをまた違う側面から感じました。2019/02/19
ちぐ
45
戦争の話です。そして実話。家族で一緒に写真を撮ろうとしても「いや~よ」と言う、いわたくんちのおばあちゃん。原爆の前に撮った家族写真を見ることが出来たのはおばあちゃんだけだったから。60年前まだおばあちゃんが16才だった時、戦争で原爆にあい、すべてが真っ黒になってしまった中、家族を探し、家族の焼けこげてしまった体をみた。お母さんと小さい妹のむねの合わさったところだけ残った洋服のぬのを見つけた。その時のおばあちゃんの気持ちを考えたらたまらなくなりました。図書館で読んで涙。2015/09/29
chiaki
37
いわたくんちのおばあちゃんが写真に写りたがらないのには訳がある。おばあちゃんの戦争体験。悲惨な被曝体験を伝えているものの、はまのゆかさんの優しい挿し絵が、おばあちゃんのふんわりした雰囲気に合っている。作中、戦争体験を語るのはいわたくんちのお母さん。おばあちゃんは「いやーよ」しか喋らずに、この物語全体を静観しているよう。生きた戦争体験を聞ける機会としては最後の世代になりつつある今、子どもたちにしっかり伝え残していかなければいけない。2019/07/23
gtn
32
いわた君のおばあちゃんは、家族と写真に収まろうとしない。万人に潜む悪魔に、それだけのことをされたから。だが、人間には知恵と経験がある。同じことを繰り返さぬよう、たゆまず意識しなければならない。再び過ちを犯すことは、私は人間ではないと宣言するに等しい。2024/02/26
haru
30
図書館本。8/6原爆によって自分以外の家族がみんな亡くなってしまったいわたくんのおばあちゃんの話。実話ということもあり、とっても重く、おばあちゃんの悲しみが心に響きました。私のおじいちゃんもその日広島にいました。結局何も話してくれないまま亡くなってしまったけど、話聞きたかったなぁ〜。2015/11/05