ヴァイオレット&クレア

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  • サイズ B6判/ページ数 191p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784072336038
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

一見正反対の17歳、ヴァイオレットとクレア。現実世界にのみこまれてしまわないよう、必死に自分自身を探しているふたりが織りなす、クールで不思議な透明感のある物語。

ヴァイオレット――暗黒の子。全身、真っ黒の服でキメ、テクニカラーの夢をみる。クレア――生ける妖精。薄布と針金でつくった羽を背中にくっつけ、詩を書いて、自分についてまわる闇から必死に逃れる。L.A.――美しく、危険な街。花や夕陽が鮮やかに、けれど毒々しく輝き、夢が血塗られる街。そんな街で、ヴァイオレットとクレアは映画をつくろうとした。世界そのものにむかって、こんな世界であってほしい、という姿を見せつけてやるつもりだった。そうしたら、世界は変わるかもしれない――蝶の群れが飛び回り、星の光を塗りたくった夜の闇を、ふたりの女の子を乗せたマスタングが暴走するような世界に、憎しみも闘いも欠乏も傷みもない世界に。けれど、欲望と野心が友情を引き裂き、すべてが暗転して、永遠の闇に包まれようとする――。アメリカの若者に圧倒的支持を得るL.A.タイムズのベストセラー作家、ブロック待望の一冊。繊細で純粋でこわれやすいあのころを、ポップで不思議な透明感のある独特の文章でクールに描ききる。アメリカの批評家たちもこぞって絶賛。きらきらひかるガラスの宝石がいっぱいつまった宝石箱のような小説。

内容説明

繊細で、純粋で、こわれやすいあのころ―あの子がいたから、強くなれた、生きていけた。全米の若者にカルト的人気を誇るベストセラー作家、待望の一冊。

著者等紹介

ブロック,フランチェスカ・リア[ブロック,フランチェスカリア][Block,Francesca Lia]
L.A.タイムズのベストセラー作家。1989年、『ウィーツィ・バット』で鮮烈なデビューを飾り、全米の若者から熱烈な支持を得つづけている。ロサンゼルス在住

金原瑞人[カネハラミズヒト]
法政大学教授・翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

29
中学生に入る前=黒歴史時代に読んでいたら共感しただろうなと思った本。出会う時期を大幅に間違えてしまった・・・。最近、映画に嵌っている者としてはヴァイオレットが繰り出す映画ネタにニヤリとしたり。でもクールなヴァイオレットも有名人と一緒になって舞い上がっちゃったり、何でも信じちゃうのはこの世代ならではだな~と苦笑。個人的に妖精の羽をつけているクレアの恐れの方に共感してしまう。信じていた人に裏切られて自分が壊れてしまう怖さやそれ故の躊躇いとそうなった時の自暴自棄がとても痛々しい。2017/07/21

兎乃

27
初夏を思わせる車窓からの風景。風を感じながらキラキラとした乙女小説、再読。私のフランチェスカ事故後遺症は今も続く。冒頭はいつもの作品のテイストと微妙に違うのだけど、ああ、やっぱりフランチェスカ。大好きです。切ない少女のビター&スイートをたっぷり味わう。原書もいいし、金原さんの訳も素敵。この感覚を出せる金原おぢ様は素晴らしい。「ママは知っている。詩は危険だけれど なくてはならない。ママはその子にペンを渡す。ママは日に日に大きくなり 夜がくると自分の心臓を胸から出す。そのドアを守るために。」2013/05/21

糸巻

20
2003年に日本語訳で発行。金原瑞人さんの訳だからYAかな?主人公はタイトルにもなっている二人の少女。映画が好きで自分が監督した映画を撮りたいと思っている全身黒コーデのヴァイオレット、背中に羽を付けたファッションでイジメられっこ詩を書くことが好きなクレア。自分をさらけ出し経験を共にし唯一無二の存在になる。怖いもの知らずのティーンエイジャーだが、心に傷を負って自ら立ち直ることで大人になっていく。詩的表現多めの文章。2024/02/29

aoneko

17
かなりの自意識過剰で、勝気で、映画マニアでフィルムメイカーで、天才少女なヴァイオレット(通ってる高校で浮いている)と、じぶんを妖精の子孫ではないかと思ってたりするクレア(もちろん友だちなし)。 恋によって、自らの感覚が鈍っていることに気づいたヴァイオレットは切ない。友情とも愛情ともシスターフッドともいえるような二人の関係性の行方も気になる。なにより、自由でのびやかで、繊細さを損なうことのないちょっと中毒性のある文章に参った。この著者の小説は翻訳がいつも同じ方なのだけど、素敵です。 2015/03/09

らくだ

6
二時間ほどで(間に夕食を挟んで)一気読み。面白かった!映画マニアで映画監督を目指す少女ヴァイオレットと、自らをフェアリーの末裔じゃないかと思うときがある少女クレア。勝ち気なヴァイオレット、無邪気で気弱なクレア。二人とも友達はなし。そんな二人が出会うことで物語は始まる。二人とも若いなぁ、思春期だなぁと思いながら読んだ。恋をして弱くなったり脆くなったり、裏切られて心のない金属のようになったり。物語の最後の、二人について書かれた一段落は二度読んだ。親友っていいですね。2016/01/11

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