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出版社内容情報
宇宙が誕生してから数億年――光を放つ星も銀河もなく、ただ水素ガスが広がるだけの「暗黒時代」が続いていました。そこから、最初の星や銀河が生まれ、宇宙に光が満ちる「再電離期」へと移り変わります。では、その決定的な転換は、いつ、どのように起こったのでしょうか。
その謎を解く手がかりとなるのが、21センチ線と呼ばれる中性水素からの微弱な電波です。陽子と電子のスピンが反転するときに放たれるこの電波は、宇宙に満ちる水素ガスの「声」とも言えるもので、私たちに暗黒時代の記憶を届けてくれます。可視光では見えない宇宙の深淵を、電波という窓から覗くことができるのです。
本書では、21センチ線を用いた観測によって宇宙の黎明を探る研究を、最新の成果とともに紹介します。世界中で進む巨大電波望遠鏡プロジェクト、シミュレーションと理論の挑戦――その先に見えてくるのは、「なぜ宇宙に星や銀河が生まれたのか」という138億年にわたる宇宙進化の謎や問いへの手がかりです。
夜空を見上げる視線が変わる、最前線の宇宙物語。
【目次】
内容説明
ビッグバン以降、宇宙には星も銀河も存在しない「暗黒時代」が訪れていた。しかし数億年後、宇宙にもたらされた劇的な転換―最初の星〈ファーストスター〉の誕生。宇宙に光が灯り、「宇宙の夜明け」を迎えた。なぜ、いつ、“何もない”ところから星は生まれたのか。宇宙138億年史における最大の謎を解き明かす鍵を握るのは、初期宇宙の中性水素から発せられた電波、21cm線である。極めて微弱なその電波を観測する最新研究を熱く解説!
目次
第1章 人類は宇宙をどう考えてきたか?
第2章 膨張する宇宙
第3章 ビッグバンと標準宇宙論の確立
第4章 宇宙暗黒時代とダークマター
第5章 ファーストスターと宇宙の夜明け
第6章 最新観測で迫るブラックホールと銀河
第7章 宇宙の霧が晴れるとき―宇宙再電離
第8章 21cm線研究最前線
第9章 宇宙の謎の解明に向けて
著者等紹介
島袋隼士[シマブクロハヤト]
1987年、沖縄県生まれ。雲南大学中国西南天文研究所(SWIFAR)副教授。2011年、東北大学理学部宇宙地球物理学科天文学コース卒業。2016年、名古屋大学大学院理学研究科素粒子宇宙物理学専攻修了(理学博士)。フランス・パリ天文台、中国・清華大学でのポスドク研究員、雲南大学中国西南天文研究所副研究員を経て、2022年より現職。専門分野は観測的宇宙論、特に宇宙暗黒時代から宇宙再電離期の21cm線に関する理論的研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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