神の蝶、舞う果て

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神の蝶、舞う果て

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  • サイズ 46判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784065416518
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「ときどき思うのよ。偶然って、本当にあるのかしらって。この世には、私たちには見ることも、思い描くこともできない複雑な糸がはりめぐらされていて、その壮大な布の中では、どれもが、あるべきところにあるとしたら……」(本文より)

降魔士の少年・ジェードは、神と魔物、光と闇が共に宿っているとされる、神聖でありながらも恐ろしい聖域<闇の大井戸>で、魔物から聖なる蝶を守る役目を負って暮らしていた。ある日、ジェードの相棒である少女・ルクランが、聖なる蝶が舞い上がって来る予兆の鬼火に触れる事件が起きる。他の降魔士たちと違い、なぜか、予兆の鬼火に激しく反応してしまうルクランは、聖域を守る者のなかで波紋を呼んでいた。自分がなぜ、そんな反応をするのかを知りたいと願うルクランと、ルクランを守りたいと思うジェード。それぞれの思いをよそに、ふたりは壮大で複雑な運命の糸に絡め取られていく。

1999年から2001年にかけて、上橋菜穂子の代表作である『守り人』シリーズの創作と並行して執筆されたこの物語は、のちの『獣の奏者』、『鹿の王』、そして『香君』にもつながる、作者の創作の軌跡を知ることができる貴重な作品でありながら、これまで書籍化されていませんでした。
この物語は、人と人との関係だけでなく、人間と他の命ある存在との繊細で複雑なつながりを描きたいという著者の想いから生まれました。
執筆から二十年以上の時を経て、円熟の域に達した著者の手で加筆修正され、力強くも美しい物語へと成長した物語が、ついに世界へと解き放たれます。



【目次】

内容説明

降魔士の少年・ジェードは、神と魔物、光と闇が共に宿っているとされる、神聖でありながらも恐ろしい聖域〈闇の大井戸〉で、魔物から聖なる蝶を守る役目を負って暮らしていた。ある日、ジェードの相棒である少女・ルクランが、聖なる蝶が舞い上がってくることを知らせる〈予兆の鬼火〉に触れる事件が起きる。他の降魔士たちと違い、なぜか、〈予兆の鬼火〉に激しく反応してしまうルクランは、聖域を守る者のなかで波紋を呼んでいた。自分がなぜ、そんな反応をするのかを知りたいと願うルクランと、ルクランを守りたいと思うジェード。それぞれの思いをよそに、ふたりは壮大で複雑な運命の糸に絡め取られていく。

著者等紹介

上橋菜穂子[ウエハシナホコ]
作家・川村学園女子大学名誉教授。1989年に『精霊の木』で作家デビュー。野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞をダブル受賞した『精霊の守り人』を始めとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、『獣の奏者1~4』、『獣の奏者 外伝 刹那』、本屋大賞と日本医療小説大賞を受賞した『鹿の王』、『香君』ほか著書多数。2009年に英語版『精霊の守り人』で米国図書館協会バチェルダー賞を受賞。2014年に「児童文学のノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を受賞。2020年に英語版『獣の奏者』で米国図書館協会マイケル・L・プリンツ賞オナー、バチェルダー賞オナーに選出。2023年に「守り人」シリーズで吉川英治文庫賞を受賞。2024年に菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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starbro

172
上橋 菜穂子は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の初期の幻の作品の書籍化、著者の傑作群と比べると物足りさは感じますが、世界観を味わいました。 神の蝶の甘い匂いを嗅いでみたい🦋🦋🦋 https://cocreco.kodansha.co.jp/special/kamicho2026/02/26

美紀ちゃん

86
新作ではなく雑誌に連載されていたものを改めて加筆修正。ジェード15歳。闇の大井戸からはラムラーを育む〈神の蝶〉も、その〈神の蝶〉を食らう〈蝶の影〉も、共に舞い上がってくる。湖に異変が起きラムラーが大凶作になったとき〈魔族の子孫〉の島に咲いた巨大な花は〈闇の大井戸〉にそっくりだった。〈闇の大井戸〉がラムラーを育むものなのか?それとも滅ぼすものなのか?わからない。ルクランが大井戸に落下!生態系の謎や目の色がみんなと違うというルクランのルーツが知りたくて一気読み。アニメ化されたら嬉しいな。ファンタジーいいよね。2026/02/19

chimako

70
あとがきにあるように25年前に雑誌に連載された物語を上橋さん自身が修正しやっと本になった一冊。とても読みやすく、ぐいぐいと手を引かれるように物語に入り込む。ラシェラン国の降魔士(カタゼリム)、ジェードとルクランは神が決めたパートナー。闇の大井戸から湧くように舞い上がる神の蝶を守るため、蝶の影を退治する役目を担う。が、二人はまだ一度も役に立ったことはない。なぜならルクランは〈予兆の鬼火〉に反応して戦える状況ではなくなってしまうから。その二人がやがて見るものとは。物語の真髄は繋がり。若い上橋さんも素晴らしい。2026/02/25

うっちー

60
生態系の不思議さを認識させてくれるファンタジーでした2026/02/26

よーよー

47
大好きな上橋菜穂子作品。軽やかな筆致でありながら、文化や政治、生態系に至るまで緻密に作り込まれた異世界は、まるで実在する歴史を辿るかのような圧倒的な手触りがある。やはり上橋先生の構築する物語は別格だ。 ​本作を象徴する言葉は「輪廻転生」。一つ一つの命が単体で存在するのではなく、大きな理の中で繋がり、巡り続ける様が、静謐かつ力強く描かれている。個の運命が壮大な世界の流れに溶け合っていく光景は、言葉を失うほどに美しい。命の連なりを肌で感じ、自らもその環の一部であると気づかされるような、魂に響く名作だった。2026/02/21

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