出版社内容情報
1939年9月1日早朝、ドイツ軍が宣戦布告なくポーランドへ侵攻。ここに第二次世界大戦の幕が上がった。
第一次世界大戦の惨禍を経て、パリ不戦条約や国際連盟の設立により平和を誓ったはずだった世界が、未
曾有の大戦へと突き進んでしまったのはなぜか。ファシズムの台頭、植民地主義帝国の衰退、アメリカ自
由主義の伸長、資本主義と共産主義の対立……列強各国の緊迫した外交とイデオロギーの衝突が、世界を
ふたたび戦火に巻き込んでいく。その果てに待っていたのは、ホロコーストや原爆投下といった人類史上
最悪の惨劇であった。
ローズヴェルト、チャーチル、スターリン、ヒトラー、ムッソリーニ、ド・ゴール、ティトー――歴史を動
かした指導者たちは、あの時代に何を思い、いかなる決断を下したのか。日中戦争を起点とし、太平洋戦
争へと突き進んだ日本は、どのような運命を辿ることになったのか。名著『第一次世界大戦』(講談社学
術文庫)の著者が鮮やかに描く、「戦後秩序の原点」となった大戦争の全貌。
[本書の内容]
序 章
悲劇の発端
大戦の様相
I 「彼らの最も輝かしいとき」
ついにダウニング街一〇番地
フランス休戦の賦
野望、海峡に散る
静かな幕間
II 大戦における一九四一年
迫りくる独ソ戦
スターリン、沈黙を破る
宣戦の詔書
III 雪原のかなた、砂漠の果て
第二戦線を、いま
偶然とみえるダルランの存在
カサブランカの集いを経て
IV 去りゆく者と、よみがえる者と
最初の三首脳会談まで
みずからを解放したパリ
クリミアの短い蜜月
V すべてが語り尽くされる頃
死のさまざまな影
米英ソ大同盟の最後の歩み
あとがき
参考文献
解説 戦後を戦前、戦中にしないために(池上 彰)
略年表
*本書の初版は1986年に社会思想社より現代教養文庫として刊行された。文庫化にあたっては『歴史・人間・運命 山上正太郎歴史叙述集2』(2000年、文元社)所収版を底本とした。
【目次】
序 章
悲劇の発端
枢軸国と呼ばれる国々/「ミュンヘン」/ドイツ包囲をめざして/独ソ不可侵条約
大戦の様相
ファシズムを敵として/人民の戦い、指導者の闘い/戦後のことども
I 「彼らの最も輝かしいとき」
ついにダウニング街一〇番地
チャーチル、そして「偽りの戦争」/予期せざる政変/ダンケルク、その奇跡
フランス休戦の賦
独断と決断/総統の喜び/名誉ある亡命/抵抗の炎を掲げて/メルス=エル=ケビールとは何か
野望、海峡に散る
和平工作あれこれ/栄光のR・A・F/個人外交を求めて/隔離演説/ローズヴェルトの計算/武器貸与法まで
静かな幕間
スペインの冷血/ヴェーガンに寄せる期待/自由フランスの浮沈
II 大戦における一九四一年
迫りくる独ソ戦
ムッソリーニの悲哀/ひとりの独裁者の場合/イギリスを支えるもの
スターリン、沈黙を破る
七月三日の演説、友情なき友好/モスクワでの使命/理想と現実と
宣戦の詔書
二つの条約の成立/演習と称する動員/日米交渉/ハル・ノート提出/真珠湾の朝/急がれた宣戦布告/連合国共同宣言
III 雪原のかなた、砂漠の果て
第二戦線を、いま
揺らぐ英帝国/ヴォルガ・ネヴァ河畔にて/首相の強い主張/スヴェトラーナの父
偶然とみえるダルランの存在
英米軍、北アフリカへ/工作員の複雑な工作/対独協力者との握手/謎の暗殺
カサブランカの集いを経て
トルコの去就、無条件降伏の問題/和解のための演技/古き帝国主義者たち/『白ばら通信』
IV 去りゆく者と、よみがえる者と
最初の三首脳会談まで
空虚なバルコニー/ローマ今昔/グラン・サッソの活劇/権力への図式/熊と野牛とロバと/重要な決定、重要な約束/ティトー登場
みずからを解放したパリ
「いちばん長い日」/大統領対ド・ゴール対ペタン/無名戦士の墓前で
クリミアの短い蜜月
非情な百分比/流血のアテネ/三色旗、復活/ワルシャワの悲惨な思い出/「なし得る最善のこと」/密約こもごも
V すべてが語り尽くされる頃
死のさまざまな影
むなしい願い/エリノアとフランクリン/秘められた女性/ロンメル、自決を選ぶ/エヴァとアドルフ/ヴェネツィア宮の情事/湖畔の暗い午後/墓標なき墓場
米英ソ大同盟の最後の歩み
ベルリン攻略/ヨーロッパ勝利の日/幻滅/原爆誕生/ポツダムでの別れ/広島、長崎、さらには……/終戦という名の敗戦/マッカーサー、厚木に着く
あとがき
参考文献
解説 戦後を戦前、戦中にしないために(池上 彰)
略年表
内容説明
第一次世界大戦の惨禍を経て、平和を誓ったはずの世界は、なぜ未曽有の大戦に突入してしまったのか。ファシズムの台頭、植民地主義帝国の衰退、アメリカ自由主義の伸長、資本主義と共産主義の対立―列強国の緊迫した外交とイデオロギーの衝突が、世界を戦火に巻き込んでいく。「戦後秩序の原点」たる大戦争、その運命の瞬間を辿る。
目次
序章
1 「彼らの最も輝かしいとき」(ついにダウニング街一〇番地;フランス休戦の賦;野望、海峡に散る;静かな幕間)
2 大戦における一九四一年(迫りくる独ソ戦;スターリン、沈黙を破る;宣戦の詔書)
3 雪原のかなた、砂漠の果て(第二戦線を、いま;偶然とみえるダルランの存在;カサブランカの集いを経て)
4 去りゆく者と、よみがえる者と(最初の三首脳会談まで;みずからを解放したパリ;クリミアの短い蜜月)
5 すべてが語り尽くされる頃(死のさまざまな影;米英ソ大同盟の最後の歩み)
著者等紹介
山上正太郎[ヤマノウエショウタロウ]
1919年岡山市生まれ。東京帝国大学文学部西洋史学科卒業。学習院大学助教授を経て、電気通信大学名誉教授。2010年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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