出版社内容情報
関東大震災が生んだ偽書を読む。
『契丹古伝』ーーそれは、古代東アジアに朝鮮人・日本人・満洲人・モンゴル人の共通祖先となる民族「東大古族」があったとし、その系譜を契丹の祖と結びつける謎の歴史書であり、戦前の軍人・宗教家である浜名寛祐が「満洲で発見した」と主張した「偽書」である。
今日からみれば、大東亜共栄圏構想へと繋がる戦前日本の帝国主義の発露そのものに見えるこの書物は、しかし浜名が関東大震災時の朝鮮人虐殺を嘆き憂えていたことを知るとき、見え方が変わる。
この偽書の存在自体が朝鮮人虐殺の証拠であるだけでなく、戦前エリート知識人の韜晦の中にあった時代精神、そして現代日本にも蔓延する流言飛語やデマ問題の不条理を浮き彫りにするのだ。
ーー偽書・偽史研究の第一人者にして、「江戸しぐさ」への徹底的批判でも知られる原田実の最新作!
【目次】
内容説明
関東大震災の朝鮮人虐殺が生んだ偽書・偽史を読む!『契丹古伝』―それは、古代東アジアに朝鮮人・日本人・満洲人・モンゴル人の共通祖先となる民族「東大古族」があったとし、その系譜を契丹の祖と結びつける謎の歴史書であり、戦前の軍人・宗教家である浜名寛祐が「満洲で発見した」と主張した「偽書」である。今日からみれば、大東亜共栄圏構想へと繋がる戦前日本の帝国主義の発露そのものに見えるこの書物は、しかし浜名が関東大震災時の朝鮮人虐殺を嘆き憂えていたことを知るとき、見え方が変わる。この偽書の存在自体が朝鮮人虐殺の証拠であるだけでなく、戦前エリート知識人の韜晦の中にあった時代精神、そして現代日本にも蔓延する流言飛語やデマ問題の不条理を浮き彫りにするのだ。
目次
第1章 関東大震災が生んだ偽史『契丹古伝』
第2章 関東大震災朝鮮人虐殺の記録・証言を読む
第3章 大正時代の日本には、何故数多くの朝鮮人が暮らしていたのか
第4章 偽史運動の諸相―『富士文庫』と『契丹古伝』の興亡
第5章 「探偵」と「敵」―震災の大衆心理
第6章 偽史と戦後史―「古代史ブーム」と「檀君顕彰」
著者等紹介
原田実[ハラダミノル]
歴史研究家。1961年、広島県生まれ。龍谷大学文学部卒、元昭和薬科大学助手(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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