ブルーバックス<br> 世界は基準値でできている―未知のリスクにどう向き合うか

電子版価格
¥1,320
  • 電子版あり

ブルーバックス
世界は基準値でできている―未知のリスクにどう向き合うか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 368p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784065401583
  • NDC分類 574
  • Cコード C0240

出版社内容情報

男と女はどう線引きすべき? 成人の定義って? 安全な堤防の高さとは? 混迷するボーダレスの時代に基準値の進化は止まらない!


【目次】

内容説明

オリンピックではトランスジェンダーの選手が活躍し、大人になる年齢は18歳か20歳か曖昧になり、AIが書いた文章は人間のそれと見分けがつかなくなった。一方で、コロナ禍にできた「新ルール」は迷走を続け、「新たな脅威」としてPFASが世界を席巻し、「新規」の食品や「新手」のハラスメントも次々に現れる―こんな世界だからこそ、人類には基準値が必要なのだ!前作『基準値のからくり』が大好評を博した基準値オタク4人組が、「安全」を求めて悪戦苦闘する人々の営みに再び迫る!

目次

第1章 男と女の基準値 テストステロンルールの迷走
第2章 新型コロナの基準値(1) 「距離と時間」の狂騒曲
第3章 新型コロナの基準値(2) 空気感染とはなんだったのか
第4章 トライアスロンと水浴の基準値 セーヌ川だけが汚いのか
第5章 放射線の基準値 誰が処理水と除去土壌を受け入れるのか
第6章 原子力発電所の基準値 どのくらい安全なら安全なのか
第7章 治水と防潮堤の基準値 科学だけでは決められない
第8章 がん検診の基準値 受けるべきか、受けざるべきか
第9章 PFASの基準値 世界から追われる嫌われ者
第10章 新しい「食」の基準値 コオロギは本当に安全なのか
第11章 AIと個人情報の基準値 自分で基準をつくっていく

著者等紹介

永井孝志[ナガイタカシ]
農研機構農業環境研究部門上級研究員。1976年北海道生まれ。筑波大学大学院生命環境科学研究科修了。博士(理学)。専門は化学物質の環境リスク評価、農業のリスクマネジメント

村上道夫[ムラカミミチオ]
大阪大学感染症総合教育研究拠点教授。1978年東京都生まれ。東京大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。専門はリスク学、環境学、衛生工学、災害公衆衛生

小野恭子[オノキョウコ]
産業技術総合研究所研究戦略本部サーキュラーテクノロジー実装研究センター副研究センター長。1973年新潟県生まれ。東京大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。専門は化学物質リスク評価・管理

岸本充生[キシモトアツオ]
大阪大学D3センター教授、同大社会技術共創研究センター長。1970年兵庫県生まれ。京都大学大学院経済学研究科修了。博士(経済学)。専門はリスク学、政策評価。地元ではPTA会長と自治会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件
評価

akky本棚

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こづこづ

9
ハッとが感動した気付き 「基準とは、私たちが生きたいと思う世界を考え、実現するための良い道具」‼️ そんなふうに考えたことなかったが。そう考えると世界が変わる。世界、社会、仕事…身の回りのルールも、誰かが描いた世界なのかも。また、それは〜変えることも出来る! とってもオススメ本☺️2025/08/24

Katsuto Yoshinaga

9
「基準というものは、考えるという行為を遠ざけてしまう格好の道具」という戒めの言葉に基づき、いくつかの基準値が丁寧に調べ上げられている。男と女の区別、放射線量、防潮堤の高さ、がん検診の有効性など、なかなか興味深い。「宗教の戒律のように、『こうした方がいい』ことは、説明するより『そういうものだ』としてしまう方が効率がいい」とか、「データ取得・利用について、サービス利用者から同意を取っておこうという姿勢は、責任逃れの下心」といった鋭い指摘にも感心させられる。しかし、内容はかなり硬派で、読むのに難儀した。2025/07/22

うぃっくす

8
読みやすくて1日で読めた。世の中専門家の人たちが専門家の中で盛り上がって決めちゃうことが多くて一般大衆に落ちてくるときには複雑で何言ってるのかわからなくなっちゃうことが多々あるよね。最近ボーダレスいきすぎてて疲れる。境目にいないもっとたくさんの存在については議論し尽くされたからなのか置いてけぼりだよ。PFASは最近そればっか。新しい規定とか組合多い。アイデンティティとか考える力を持ってない人は今後も搾取される一方ですな。2025/08/24

19番ホール

3
基準値の成り立ちと決め方について、多角的に掘り下げた新書。タイトル買いした自分をほめたい。とてもよかった。あくまで数値である以上、エビデンスがベースになるものの、線引きをする意義によっていくらでも値は上下する。基準値は恣意的だからあてにならない、で終わらずに、実用品として合議しながら運用していく目線がよかった。2025/07/26

moriyama

1
自分自身が会社でルールを作る機会がある業務をするため、かなり共感しながら読み進めることができた。国・世界のルールと一企業でのルールは規模も世界観も違うが、一度決めた(昔から決められていた)ルールを変えることは難しく苦悩していたので、勉強になりつつ、国や役所の方々も大変な思いをされて基準値を定めているのだなと勝手に親近感を抱いた。なぜこういうルールに至ったのかを説明するよりも、理由はともあれ「そういうもの」という認識を持つことのほうが平和なことも多い、という趣旨の記述があり、思わず大きく頷いた。2025/08/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22711982
  • ご注意事項

最近チェックした商品