出版社内容情報
本格ミステリを愛するプロが選ぶ、傑作ミステリ短編集!
今年イチオシの「謎」はこれだ!
☆☆☆
目次
序 本格ミステリ作家クラブ会長 麻耶雄嵩
「速水士郎を追いかけて」真門浩平
「概念探偵」潮谷験
「スティームドラゴンの奇走」霞流一
「縄、綱、ロープ」青崎有吾
「放送部には滅ぼせない」坪田侑也
「誰も読めない」白井智之
解説 乾くるみ
☆☆☆
内容説明
今年を代表する本格ミステリはこれだ。真門浩平「速水士郎を追いかけて」、潮谷験「概念探偵」、霞流一「スティームドラゴンの奇走」、青崎有吾「縄、綱、ロープ」、坪田侑也「放送部には滅ぼせない」、白井智之「誰も読めない」。作家・評論家が入念に選び抜いた、年に一度の短編傑作アンソロジー。〈文庫オリジナル〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さっちゃん
42
真門浩平「速水士郎を追いかけて」潮田駿「概念探偵」霞流一「スティームドラゴンの奇走」青崎有吾「縄、綱、ロープ」坪田侑也「放送部には滅ぼせない」白井智之「誰も読めない」収録。/既読作品もあったけれど、ハイレベルな一冊に大満足。真門さんはやっぱり好みの作風で好き。潮谷さんもロジカルだけどちょっとユーモラスで楽しかった。カスミンの紅門福助の鉄道トリックに驚かされ、青崎さんは再読でも有栖川先生の完コピぶりに感心する。初読みの坪田さんはオチは分かったけど爽やかで良き。白井さんはエログロなしの真面目な白・白井さん。2025/07/14
ひさか
29
2024年3月ぼくらは回収しない東京創元社刊真門浩平:速水士郎を追いかけて、小説NON4月号潮谷験:概念探偵、ミステリマガジン7月号霞流一:スティームドラゴンの奇走、オール讀物7・8月号青崎有吾:縄,綱,ロープ、小説新潮10月号坪田侑也:放送部には滅ぼせない、小説現代11月号白井智之:誰も読めない、の6つの本格ミステリを2025年6月講談社文庫刊。真門さんの友人の推理をたどる展開が楽しい。シリーズ化を期待してしまう潮谷さんの概念探偵が良い。坪田さんの手紙の交換による学園物の展開が楽しい。これらが特に好き。2025/08/31
だるま
13
昨年発表された短編の中から、本格ミステリとして優れている作品を選び抜いた年刊アンソロジー。青崎さんと白井さんの作品は既読だったが、今回全部読んでもこの二作が特に面白いと感じた。青崎さんは手掛かりの巧さとシャレたオチが最高。白井さんには本格長編を書いて欲しいなあ。そして、他の四作も良く出来ていて、潮谷験さんの犯人指摘の場面では笑ってしまった。収録作が全て傑作だと思えたのはこのシリーズでは久々じゃないかな? かつてのノベルス版から文庫版になり規模が縮小され今に至る訳だが、それでクオリティは確実に高くなったね。2025/07/28
コチ吉
7
やはり既読の青崎作品と、グロさ控えめな白井作品に一日の長がある。他はまだデビュー間もない作品もあり、比べてみると作品としてのこなれた感じがどうしても希薄なのは否めない。それにしても、白井さんは将棋の有段者なのか。多才だ。2025/09/24
ソルト佐藤
6
だいたいこのくらい。毎年のアンソロ。「速水~」これはもうパズルでは?(笑 「概念探偵」綾辻有栖川の安楽椅子探偵ような完全な探偵!皮肉なオチがいい。「スティーム~」鉄ではないので今ひとつのれず。オチはそれでいいのか?(笑 「縄、網、ロープ」再読。名跡のように二代目有栖川有栖を襲名していいのでは?(笑 「放送部~」これが、一番、謎解きとお話の面白さが融合して楽しく。違う作品も読んでみたくなった。「誰も読まない」まさの将棋。作者らしくもない……と思ったら、途中でなんというからしいキャラが(笑 読後感がとてもよい2025/08/07