内容説明
白鳳時代の傑作が、なぜ武蔵野の地にあるのか?伝来の大いなる謎を解き明かす、心躍るルポルタージュ!誰の持ち物であったか、誰が持ってきたのか。この2つの謎を追ってたどり着いた、朝廷内の人々の悲哀と信頼の物語。あいつぐ政変のなか、奇跡的な縁によってもたらされた深大寺像の真実が明らかになる。
目次
第1章 白鳳三仏
第2章 香薬師像の右手
第3章 ミステリーな深大寺像
第4章 高倉福信
第5章 迷走
第6章 平城山を越えて
著者等紹介
貴田正子[キダマサコ]
ノンフィクション作家。1969年、新潟県生まれ。1993年、産経新聞社入社。水戸支局、文化部などを経て、2002年退社。記者時代から、行方不明の旧国宝「香薬師如来像」(新薬師寺)を追う取材活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Toshi
21
東京調布の古刹深大寺にある国宝釈迦如来倚像。白鳳三仏のひとつにあげられるこの国宝がいかにして深大寺にやってきたのか。本書は研究書ではなく、元新聞記者による謎解きルポルタージュで、とても読み易く、想定外に楽しめる歴史ミステリーだった。結論は状況証拠に基づくものではあるが、著者が助言を仰ぐ仏像研究者水野敬三郎氏をして「矛盾はなく、そしてロマンがある」と言わしめた。キーワードは女性天皇と半島からの渡来人で有能な官吏。今から1270年前の方が多様化は進んでいたのでしょうかね。2026/07/15
ryohjin
20
白鳳時代の仏像が武蔵国の深大寺(調布市)にもたらされた由来の謎を追いかけた本です。仏像研究の大家、水野敬三郎先生の講演のヒントから始まった謎解きの記述に引き込まれます。史料で確定できる部分を固めながら、不明な部分は、想像力を駆使しつつ推論していく。そのプロセスが、作者の想いをともなって熱く伝わってきました。乏しい史料からたどりついた現状の推論は、そのまま定説になるものではないかもしれませんが、水野敬三郎先生に報告し「矛盾はないですね。そして・・・ロマンがありますね」とかけられた言葉に感動しました。2023/08/06
じゃくお
3
仏像を学ぶために書店で本を探っているところ、地元住民として馴染み深い"深大寺の白鳳仏"について書いた本があったため購入しました。もはや歴史ミステリとも呼ぶべきロマン溢れる内容で、娯楽感覚で読むことができます。作者が新聞記者だったこともあり、学者が書いた本よりも軽くて読みやすいです。その一方で世俗小説じみた修飾があり、やや作者個人のロマンが読者に押し付けられる印象もありました。ただ作者が研究した内容は非常に面白いですし、その点は褒められる内容でしょう。学習ではなく知的娯楽に適切な本だと思われます。2022/10/27
Go Extreme
2
白鳳三仏: 飛鳥仏→白鳳仏→天平の仏像 白鳳仏いろいろ 「白鳳三仏」って何 香薬師像の右手: はじまりはコピー仏像 光明皇后の念持仏 仏像研究者の記録 鎌倉の古刹から新薬師寺へ ミステリーな深大寺像: 深大寺の創始 関東最古の傑作白鳳仏 仏像研究者の歴史ロマン 高倉福信: 相撲上手で聖武天皇に召される 力士から異例の大出世 迷走: 渡された場面 『私案抄』と民間伝承 光明皇后と福信 光明皇后と橘諸兄 福信、山背守から武蔵守へ 平城山を越えて: 恵みの巡行 井手寺跡 橘諸兄の墓 いにしえの橘諸兄2021/07/29
So Honda
1
最近ちょうど深大寺の創建伝説を調べていて、またなぜ白鳳期の仏像が東国にあるのか謎に思っていたところだったので、馴染みのある地名や人名が紐解かれていく記述を引き込まれるように読んだ。2025/03/26
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