出版社内容情報
4 年生でスピントロニクスや磁性の実験室に配属された学生がスピン流の基礎物理を勉強できる本!
本書では、スピン(磁気モーメント)の基礎から順を追って説明し、研究に必要なスピン流の基礎物理を解説。
必要以上に難解に書くのではなく、全て式を追えるレベルにした。実験の原理もていねいに説明。理論と実験の両方の知識が身につく。
第1章 はじめに
1.1 電気と磁気:電子の電荷とスピン
1.2 電気的な磁化操作
1.3 強磁性体の基本的な性質
第2章 磁気共鳴の基礎
2.1 磁気モーメント
2.2 一つの磁気モーメントの運動
2.3 磁気共鳴
2.4 有効磁場
2.5 緩和
第3章 強磁性共鳴とスピン波
3.1 キッテルの式
3.2 イットリウム鉄ガーネット
3.3 ランダウ-リフシッツ方程式
3.4 スピン波
3.5 静磁モード
第4章 スピン流とスピンホール効果
4.1 伝導電子のスピン流
4.2 電気的スピン流生成
4.3 スピンホール効果
4.4 エデルシュタイン効果
4.5 スピン波スピン流
第5章 純スピン流の輸送現象
5.1 スピントルク
5.2 スピンポンピング
5.3 スピンゼーベック効果
5.4 スピンホール磁気抵抗効果
5.5 非線形輸送現象
内容説明
本書では、主に学部4年生や大学院生で新しくスピン流の物理研究を始める方を対象に、スピン流の概念と関連する諸現象の基礎物理をなるべく平易に(量子力学的な議論に立ち入らずに)解説することを目指した。大学3年生までに習う物理学の知識は前提としたが、理解が不十分である可能性も考慮して、なるべく説明を加えるように努力した。
目次
第1章 はじめに(電気と磁気:電子の電荷とスピン;電気的な磁化操作;強磁性体の基本的な性質)
第2章 磁気共鳴の基礎(磁気モーメント;一つの磁気モーメントの運動;磁気共鳴;有効地場;緩和)
第3章 強磁性共鳴とスピン波(キッテルの式;イットリウム鉄ガーネット;ランダウ-リフシッツ方程式;青磁モード)
第4章 スピン流とスピンホール効果(伝導電子のスピン流;電気的スピン流生成;スピンホール効果;エデルシュタイン効果;スピン波スピン流)
第5章 純スピン流の輸送現象(スピントルク;スピンポンピング;スピンゼーベック効果;スピンホール磁気抵抗効果;非線形輸送現象)
著者等紹介
塩見雄毅[シオミユウキ]
工学博士。2012年、東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系准教授。令和元年度東京大学卓越研究員。専門は、トポロジー・磁性・スピントロニクス。新しいエレクトロニクス機能の開発を目指して、物性物理学の基礎実験研究に取り組む。特に、物質の磁性を研究の軸にしており、トポロジーやスピントロニクスといった21世紀の新概念を利用した物理現象の開拓を目指している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。