出版社内容情報
幼い頃に母がかけてくれた「あさひは失敗しない」というおまじない。それはやがて呪縛となり、追い詰められた彼女は取り返しのつかない「失敗」をしてしまう。
メフィスト賞デビュー『#柚莉愛とかくれんぼ』著者による、サスペンス・ミステリー
どこまでが愛で、どこからが狂気か。その境界は誰にも見えない。
――本間 悠(佐賀之書店)
内容説明
女子大生のあさひは「正しくないこと」を恐れて生きている。なぜなら、絶対に「失敗してはいけない」からだ。幼い頃、母親からかけられた「あさひは失敗しない」というおまじない。それはいつしか呪縛となり、追い詰められた彼女は取り返しのつかない「失敗」をしてしまう。メフィスト賞受賞作家の衝撃ミステリー!
著者等紹介
真下みこと[マシタミコト]
1997年埼玉県生まれ。2019年『#柚莉愛とかくれんぼ』で第61回メフィスト賞を受賞し、’20年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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よっち
25
幼い頃、不安な時に母がかけてくれた「あさひは失敗しない」というおまじない。それはいつしか呪縛となり、あさひ自身を追い詰めてゆく物語。心配事をあらかじめ避けたり、小さくしておいたりしてくれるあさひの母親。高校までは勉強を頑張って周囲に合わせていれば何とか取り繕えていたのに、大好きだったお母さんとも、大学での友達ともうまくいかなってゆくあさひ。たびたび垣間見える母親のヤバさには戦慄しましたけど、その呪縛から逃れようと足掻くあさひもまた不器用過ぎて、容易には抜け出せない業の深さを改めて突きつけられた思いでした。2024/09/14
eyemu
9
xで御本人様がリプライしていたのを見て買った1冊。 めちゃくちゃいる、こういう親子。私も近かった。 彼女は裁かれるだろうけど、彼女は少しまともになって解放されたから救いはあった。 子供にとって初めての人類は、母親なんだよ。 母親は絶対なんだよ。良く分かる。 母親に認められないと生きていけない赤ちゃんの頃からとか、自身の知らぬ間に膨張した承認欲求のせいで、あさひもあまり可愛くない性格に見えてしまうのが切ないところ。(レビューにも多かった) 確かに女から見たら嫌なヤツだけど、自分のせいだけではないと思うんだ。2024/09/24
ミクロかめ
6
ライト過ぎるかな。結局何が言いたいのか、となってしまう。(いや、言いたいことはなんとなくわかるけれど、心に響いてこない…)2025/01/31
りょー
4
「あさひは失敗しない」 幼い頃、母親からかけられるこの言葉がおまじないになっていたあさひ。だが成長するにつれこの言葉が自身への鎖となり呪いとなる。どんどん道を踏み外していってしまうあさひ。母親は母親で過干渉が過ぎてすごく暑苦しい。このあさひちゃんはどうなっていくのか自分も目が離せなくなっていた。読みやすく、早いペースで展開が進んでいくためスラスラ読み進めた。結末も好みで面白かった。2024/11/13
みさき
4
幼少期に母親からかけられた「あさひは失敗しない」という一言に守られて囚われてきたあさひのお話。お母さんの気持ちも分かるしあさひの気持ちも分かるんだけどどっちも極端というか、振り切っているというか。でも一歩間違えたら私も彼女たちみたいな思考に囚われちゃうような気がして怖い。というか、まさか誰がこんな爽やかなラストになると想像しただろうか…。エピローグ、びっくりしました。2024/10/11