円かなる大地

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  • サイズ 46判/ページ数 416p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065366844
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

祝!第27回大藪春彦賞 受賞詳細はこちら(徳間書店のサイトに遷移します)

恨むな。憎むな。あらゆる声へ耳を傾けよ。そして――とこしえの和をなせ。

時は戦国、北の大地。謎多きアイヌの壮年・シラウキが人喰いクマの襲撃から助けた少女はなんと、蠣崎氏当主の娘・稲姫だった。礼として居城に招かれるが、それが思わぬ和人とアイヌの戦の引き金を引いてしまう。
稲は己の無知が招いた惨状を目の当たりにして、和睦には自ら打って出ることを決意する。
一方シラウキも稲姫の姿に心打たれ、少年期の惨劇の清算を和睦へと託すのであった。無頼の女傑、女真族、恐山の怪僧……二人は心強い協力者とともに和睦の中人となりうる出羽国・安東氏のもとへ向かう。
果たして二人は、「とこしえの和」を実現することができるのか。
いま最も注目を集めるヒストリーテラーが贈る、乾坤一擲の本格歴史エンターテイメント。

内容説明

時は戦国、北の大地。「とこしえの和」は成るのか―。謎多きアイヌの壮年・シラウキがクマの襲撃から助けた少女は、蛎崎氏の娘・稲姫だった。礼として居城に招かれるが、それが戦の思わぬ発端となってしまう。和睦の条件は「15日以内に仲介人となる安東氏を出羽国から連れ帰る」という困難なものだったが、それでも二人は「友との約束」を胸に、稲の許嫁、無頼の女傑、女真族、恐山の怪僧など心強い協力者とともに、難題に立ち向かう。

著者等紹介

武川佑[タケカワユウ]
1981年神奈川県生まれ。立教大学文学研究科博士課程前期課程(ドイツ文学専攻)卒。書店員、専門紙記者を経て、2016年、「鬼惑い」で第1回「決戦!小説大賞」奨励賞を受賞。甲斐武田氏を描いた書き下ろし長編『虎の牙』でデビュー。同作は第7回歴史時代作家クラブ新人賞を受賞。2021年、『千里をゆけ くじ引き将軍と隻腕女』で、第10回日本歴史時代作家協会作品賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

shio

30
読み応えたっぷりの感動大作!かつて取り交わされた和人とアイヌの和睦、その史実をこの物語を通じて肌で感じることが出来ました。熊との戦いをはじめ北の大地の自然の壮大さと厳しさがそこにあるかのように匂い立ち、そこで生きのびようと、互いに罪を成しながらもがくアイヌと和人の姿は、今なお争いが続く現代の人の姿にも重なります。和人同士アイヌ同士でも争う。文字があってもなくても、聞き取り語り伝えることが「とこしえ」に繋がる。言葉の持つ力の底しれない大きさに感動しました。シラウキの歌が美しく耳に残るラストシーンでした。2024/09/24

まる子

24
#NetGalley 戦国時代の蝦夷。悪党と言われたシラウキが、ウェンカムイから稲姫を助けた事から物語は始まる。北海道の先住民であるアイヌ民族を、のちに和人と言われる人々が彼らにした事はアイヌの人々を人間と扱わずしてきた非道。自分の身分を顧みず、自分が引き起こした両者の戦さを和睦への道へと拓く壮大な物語だった。望むのは和人とアイヌの対等な和陸と交易、あれだけの事をされたアイヌの首長チコモタインは蠣崎季廣に「和人を信じる」と言った。蠣崎はこの言葉にどう答えたのか。これがとこしえの和であって欲しいと願う。2024/11/18

信兵衛

17
開拓者による先住民への非道かつ残忍な振舞いは、アイヌに対するものだけではなく、米国、豪州とあらゆるところで歴史上見られるものですが、日本における身近な歴史として、アイヌに対する和人の非道な振舞いには目を覆いたくなる思いです。 そうした中で、アイヌに対しても公平に向かい合った人たちがいたということに、救われる思いがします。 これまで知らずにいた歴史を知ることができ、良かったです。2024/12/16

yasuyuki suzuki

7
北の大地アイヌ、蝦夷の戦国時代の歴史は全く触れる機会がなかったので興味津々でした。稲姫の存在がひかりこの物語を牽引しているようでした。この壮大な歴史物語を読んで感銘をうけました。熊が襲ってくるシーンありアイヌ言葉も頻繁に出てきて読む手が止まりませんでした。北の国の和人とアイヌの歴史小説の大傑作をあなたも読んで感銘して下さい。2024/09/09

GOTI

4
☆☆☆★初読み作家。室町時代中期から後期のころ、渡島半島における蝦夷(アイヌ)と和人の争いと講和を描いた歴史小説。全く知識を持ち合わせていなかったので、知的好奇心を満たした。アイヌの青年、シラウキは熊に襲われた蠣崎家当主の二女、稲を助け、城に招かれる。行き違いから争いとなり、シラウキは稲を人質に逃走する。そして二人はアイヌと和人の壮絶な戦いの渦中に巻き込まれ、その仲裁に奔走することに。 2025/01/17

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