出版社内容情報
12歳の私たちがここにいた証――。自立の一歩手前、少女たちの繊細かつしなやかな心情を描く、注目作家の最新作。
内容説明
ノーレイン・ノーレインボー進学教室。略してノレノレ。「雨がなければ、虹はない」ハワイのことわざが由来なんだって。中学入試をめざす12歳の小春と英。卒塾を前に、二人が始めた秘密のプロジェクトとは?
著者等紹介
こまつあやこ[コマツアヤコ]
1985年生まれ、東京都出身。清泉女子大学を卒業後、学校や公共図書館の司書として勤務。2017年、『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』で第58回講談社児童文学新人賞、2021年、『ハジメテヒラク』(講談社)で第54回日本児童文学者協会新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪丸 風人
17
主人公は小規模塾に通う不真面目な女の子。生まれた時から志望校が決められていたという彼女が、わかりあえる仲間がいる特別な場所で、夢を見つけて一歩を踏み出すまでを描いています。印象的だったのは少女の「振り回されることが悔しい」という心の叫び。はたして自分なら、唐突に夢を語りだす娘に理解を示し、 “元気に楽しく毎日過ごしてくれることが一番”と言ってやれるだろうか?と自問してしまいました。物語の思わぬ展開にはびっくりしましたが、前向きで希望に満ちあふれるラストは素晴らしかった!(対象年齢は11歳以上かな?)2022/08/09
そうたそ
12
★★★☆☆ ノレノレこと"ノーレイン・ノーレインボー進学教室"なる塾に通う十二歳の小春と英は、卒業制作ならぬ、卒塾制作としてかるたを作ることに――。学校だけでなく、子どもたちにとっては塾だって大切な友人とのコミュニケーションの場。確かにこんな卒塾制作があってもいいのかも。毎日小学生新聞連載ということもあってか、話の展開が安易、シンプルに過ぎると感じられる部分もあったが、大人になったら忘れてしまいそうな、小学校から中学校へ進学する間の、あの一生に一度しかない青春の時間を思い出した一作でもあった。2024/02/14
ゆにす
11
塾が居場所という設定はすごくいいと思う。ただ主人公の心の動きや家族の姿は物足りなく思いました。中学受験ってすごく大変だもの。2023/11/28
joyjoy
9
子に中学受験をさせるママ友が「自分がそうだったから」子どもにも同じようにさせたい、と話してくれたことを思い出す。 主人公のひとり小春も、祖母や母の思いを受けて、彼女らの母校である中学を受験する気になっていたが…。 読んでいるうちに、私自身が我が子の中学受験なんて考えもしなかったのも、自分がそうだったから、かも、、、と気づく。子を信じて、「自分で決める」を応援できる親でありたい。2023/02/19
奏
6
祖母も母も通った私立の学校を受験するため ノーレイン・ノーレインボー進学塾に通う小春は、絵を描くことが大好き。塾で親友になった英は本が大好きで、二人で卒塾の記念にかるたをつくることにした。塾に通う子どもたちが自分の夢をしっかり持っていてすごいなぁと思うのだが、小春の気持ちを変化させるためにまわりの状況を無理やり変化させているように感じてしまった。2022/12/02