講談社学術文庫<br> 賄賂と民主政―古代ギリシアの美徳と犯罪

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講談社学術文庫
賄賂と民主政―古代ギリシアの美徳と犯罪

  • 橋場 弦【著】
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  • サイズ 文庫判/ページ数 168p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065364055
  • NDC分類 231.3
  • Cコード C0122

出版社内容情報

参政権の平等と民衆の政治参加という理想を追い求めた古代ギリシアの人々。しかし、政治の暗黒面を避けて通ることはできなかった。それが賄賂である。では賄賂とは、いつから、なぜ、「犯罪」とされるようになったのだろうか――。
紀元前5世紀なかばに直接民主政の骨格を完成した都市国家アテナイを、国力の絶頂期に導いたペリクレスは、「賄賂になびかない政治家」として知られる。友人からの供応を嫌い、宴会の招きに応じることもなかったという。それが贈収賄の温床になることを知っていたのである。
しかし、賄賂と贈与はどう違うのか。古代ギリシアはもともと、贈与交換が重視される社会だった。贈与の機能は多様であり、現代ならば、それは謝礼、賃金、報償、あるいは賄賂となるが、それは総じて「贈り物」と呼ばれたのである。そのなかで、私的な利益を誘導する賄賂への態度は、民主政の始まりによって一変したわけではなかった。賄賂を断罪する姿勢があらわれるのは、ギリシア人がペルシア戦争という未曽有の困難に直面し、賄賂が公共性にとって破壊的な結果をもたらすことに気づいたときだった。アテナイのパルテノン神殿の建設という大公共事業に際しても、贈収賄事件を実証する記録は1件も見当たらないという。
〔原本:『賄賂とアテナイ民主政――美徳から犯罪へ』山川出版社、2008年刊〕

目次
1 賄賂と贈与
2 贈り物は神々をも説得する
3 ペルシア戦争という転機
4 さまざまな賄賂
5 罪と法
6 賄賂と民主政
あとがき
学術文庫版あとがき

内容説明

古代ギリシアは、贈与公換を「美徳」とする社会だった。では、贈与と賄賂はどう違うのか。賄賂はなぜ厳しく断罪されるようになったのか。アテナイを黄金期に導いたペリクレスは友人からの供応を断り、パルテノン神殿建設という大公共事業に際しても、贈収賄事件の記録は見当たらないという。民主政治の暗黒面と向き合ったアテナイ市民の格闘を描く。

目次

1 賄賂と贈与
2 贈り物は神々をも説得する
3 ペルシア戦争という転機
4 さまざまな賄賂
5 罪と法
6 賄賂と民主政

著者等紹介

橋場弦[ハシバユズル]
1961年、札幌市生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院人文科学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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クレイン

11
良い。 賄賂が古代ギリシアではどのように考えられていたのか、またそれを防ぐためにどのような対策がなされていたのか。内容としては150頁ほどではあるが、充分に面白い。権力の分散は意志決定に時間を要するが、偏りは防げる。色々な手法のメリデメを感じる次第である。2025/06/28

みのくま

6
古代ギリシア世界は互酬性原理で成り立っていた。特にアテナイ民主政は富裕層による多額の寄付が軍事や内政を支えており贈与慣行は市民の美徳であった。だがペルシア戦争を機に対外贈収賄が大きな問題として浮上する。敵国からの賄賂により売国行為を防止する為法整備が行われ贈収賄は厳しく取り締まられる事になる。また法廷買収も厳しく罰せられた。前4世紀以降のアテナイは衆愚政に堕したと言われるがその原因の一つは法廷弁論にて贈収賄に関する嫌疑が頻出するからである。しかし古代ギリシアの互酬性の慣行の歴史を紐解くと一概に言えないのだ2024/08/09

261bei

1
互酬性を社会の原理とする古代ギリシアでは「賄賂」が悪しきものであるという概念すらなく、まともな返礼がない時に「賄賂」として非難が行われていたが、ペルシア戦争をきっかけにして、共同体を破壊しかねない賄賂に対して厳しい法的対処を行うようになった(ただ依然として互酬性の原理は生きていて、それを制御する方策が色々取られたと)。将軍のような選挙で選ばれる役職者が賄賂で裁かれていて、他のくじ引きで選ばれる役職者はあまり登場しないのは、平等に権限と責任を分かち合う民主政の原理自体が買収に対して強靱であることを物語る。2024/12/27

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