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出版社内容情報
北京にある北清大学で、ある者は学歴のため割り切って学生生活を送り、ある者は夢に破れ脱落し現代中国の社会のどこかへ消えてゆく。卒業を目前にした舒念(シュウ・ニエン)はドキュメンタリー作品を作って生活する夢と堅実な就職のどちらを選ぶか悩んでいた。憂さを晴らそうと一緒に酒を飲んでいた後輩の徐来(シュイ・ ライ)が、帰り道に入水自殺を図り、彼女の現実を目の当たりにした舒念は社会の矛盾を痛感する。
その事件をきっかけに、舒念は他にも社会に黙殺されている小さな悲鳴に気づき、自分のドキュメンタリー作品に彼らを記録することで、何かを変えられるのではと決意した。
国が違っても変わらない、未来を模索する若者たちを通し現代中国を描く! 今までになかった、今を生きる者たちの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
電羊齋
6
中国の「北清大学」(北京大学がモデルか)の学生舒念がドキュメンタリーを撮るために奮闘。後輩が入水自殺を図る。受験戦争を勝ち抜いて大学に来ても将来は保証されていない。中国の最高学府であっても大学中退者も多い。取材をすれば大学生と庶民たちの生きづらさが浮かび上がる。そして至る所にある監視カメラと警察という監視社会で不満を漏らす隙すらない。「閉塞感」の一言。そして、私はこの漫画のあらすじをとある中国人の友人に説明したら「有的是」(当たり前だ、ありふれている)と言われた。どないせえっちゅうんじゃ!と叫びたい!2024/10/01
たけのこ
2
とっても面白かったです! 北京にある北清大学を舞台に退学した人をおったドキュメンタリーを撮ろうと奮闘するお話。アフタ連載ですけど向こうの方なのかな。向こうの文化とかも描かれて目新しい。タイトルは「未来(みらい)・来(くる)・不来(こない)?」てことですね。2024/09/11
kakuri
0
現代中国を舞台に生きる若者達。ドキュメンタリーを撮ろうとする主人公の目とレンズに映る、ままならないもの達。社会全体に蔓延する苦しみ、やるせなさが、気怠くも切実さを感じさせる独特な筆致で描かれる。生きる者をカメラで捉えることの、責任と覚悟。中国の文化事情も「そうなのか…」となりながら読んだ。2025/05/04
2n2n
0
舞台は中国、北京。主人公は北清大学(おそらく北京大学がモデル)の4年生。友人の入水自殺未遂をきっかけに、大学を退学した元学生を記録するドキュメンタリーを卒業制作として録ることを決意する。ドキュメンタリーを録ることとは「人と関わること」であり、ドキュメンタリーとして人に取材することーー取材を通じて、その人の人生へ影響を与えてしまうことーーに対する責任と、この主人公は真剣に向き合うこととなることが、作品の一つのキモだと思う。2025/04/23