出版社内容情報
夜に開かれる猫たちの集会。沙織と朝まで一緒にいたい良男、ゴッホに自分を描いてほしかったキイロ、名前にあこがれる三毛の子猫らが集まり何を話し合っているのか覗いてみるとーー。つまらなく見えて大切なもの、自由としがらみ、生き方を選ぶということ。猫と人の幸せを巡る、せつなく温かい連作短編集。
不幸ではないけれど、
ちょっと寂しかったんだ。
累計50万部突破「猫弁」シリーズの著者が描く、猫と人間の”つながり“の物語
【もくじ】
はじめに
第一話 良男と沙織
第二話 キイロとゴッホ
第三話 哲学者
第四話 それぞれのクリスマス
第五話 ルノワール
文庫版あとがき 崖下の猫
内容説明
夜に開かれる猫たちの集会。沙織と朝まで一緒にいたい良男、ゴッホに自分を描いてほしかったキイロ、名前にあこがれる三毛の子猫らが集まり何を話し合っているのか覗いてみると―。つまらなく見えて大切なもの、自由としがらみ、生き方を選ぶということ。猫と人の幸せを巡る、せつなく温かい連作短編集。
著者等紹介
大山淳子[オオヤマジュンコ]
東京都出身。2006年、『三日月夜話』で城戸賞。’08年、『通夜女』で函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞グランプリ。’11年、『猫弁~死体の身代金~』にて第三回TBS・講談社ドラマ原作大賞を受賞しデビュー、TBSでドラマ化もされた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
262
「ねこすて橋」に集う、ねこと人の関係を描いた群像劇風な物かと思ったら。悪い人間もいるけど、人とねこの絆とか関係性が良いですね。のみならず各話が全部がドンドン繋がって行くのね。流石で御座います。なんと言っても、タイトルが良いでは御座いませんか。我が家にも2匹のねこがおりまして『猫は抱くもの』何ですよって言って聞かせたのですけど、知らぬ顔。うちの仔らは原則抱かせてくれない(´•ω•̥`)。必要があって抱き上げる場合でも、両前脚を最大限伸ばして突っ張るのね(ó﹏ò。)。可愛くも心の傷が深まる方が大きいよ。2024/12/27
花ママ
56
猫の目線で人間を描いた5編からなる連作短編集。東京郊外にある青目川。そこに架かっている橋の中に、ねこすて橋という猫にとっては縁起の悪い名前の橋がある。しかしここでは、飼い猫ノラ猫の区別なく、いろんな猫たちが集まって、橋の上で集会を開く。それぞれの話には猫と人間の深い情愛が描かれていた。中でも、すごい絵の才能を持っているのに、色覚に異常がある男ゴッホと不細工な猫キイロの話が一番印象深く心に残りました。 2024/02/19
Kanonlicht
42
ねこすて橋で夜な夜な集会を開く猫たちと、それぞれの猫にかかわりをもった人たちの悲喜こもごもの人生を描く群像劇。猫弁シリーズ感覚でほのぼのした物語かと思いきや、過酷な話もわりと多くて意表を突かれた。登場人物同士が意外なところでつながる著者お得意の手法は健在。最後はしっかり感動した。すべての猫と人間たちに幸あれ。あとがきを読んで映画化されていことを知り、おもわず予告編を見て、そっ閉じ。『CATS』か!2024/08/02
Karl Heintz Schneider
36
夜な夜な開かれる猫の集会、そこでは人間には計り知れない会話があって・・・。第一話の「良男と沙織」が強烈だった。沙織に恋焦がれる良男は猫なのか人間なのか。本書は去年新装版として文庫化されたもの。巻末の「崖下の猫」には本書でしか読めない内緒話が収録されている。著者が猫好きになった経緯、「猫弁」を書くことになったいきさつ。それを読むだけでも意味があるかもしれない。2025/03/22
こうちゃん
19
この作家さんは本当に素晴らしい。 何故こんなにも優しい物語が書けるのか。決して明るく綺麗なことばかりでは無くて、人の嫉妬の闇や不器用故のすれ違いも描かれてる。 そのなかでも休日に満開になる桜を『親切』だと表現しまうあたりは、とことん優しい人なのだなぁと感じる。 あだ名を『誠実さん』とつけた行は、鼻の奥がツンとしてしまった。 通勤中の満員電車で読んでいて「ヤバい!」と思って本を閉じて閉まったほど。 猫も犬も愛情を注ぐ対象は、抱くものだと思う。2024/09/13
-
- 和書
- 生きたドイツ語の初歩