出版社内容情報
【平安最大の権力者は何を“後世に残すべきだ”と考えたか】
大河ドラマ『光る君へ』時代考証者が徹底的に読み解く! 原本写真多数掲載。
豪放磊落な筆致、破格の文体、そして抹消された箇所……平安時代最大の権力者は、自らの手で何を書き残したのか。
「披露すべきに非ず。早く破却すべき者なり」と道長が記したのはなぜか。
「望月の欠けたる事も無しと思へば」はいかなる場で詠まれたものだったか。
摂関期の政治、外交、儀礼の生々しい現場から家庭生活と精神世界までを描く世界最古の自筆本日記を、第一人者が徹底的に読み解き、宮廷社会の実像をさぐる。
原文写真・翻刻・現代語訳・解説がそろった、決定版!
【本書より】
『御堂関白記』独特の面白さがある。また、『御堂関白記』を記した藤原道長自体、日本史上でめったにいないほど、面白い人物である。それらの楽しみを、原本の写真とともにたどることは、他の史料ではちょっと味わえない面白さがある。
この本では、その日の記事に何が記されているかに加えて、その日の記事がどのように記されたのか、また、どのように書写されたのかに視座を据えて、記述のてんまつ、また書写のてんまつを明らかにしたい。本来、歴史学というのは、史料を読み込んでいき、それを読み解くというのが基本的な姿勢である。世間では古代史というと、好き勝手な推論を積み重ねている
ものと思われているかもしれないが(実際、『御堂関白記』や道長についてもトンデモ本が流布しているらしいのは嘆かわしいかぎりである)、史料にどう向き合うかという姿勢を伝えることこそ、歴史学者の本来の使命であると考える。
結果的には、自分が楽しんだだけではなかったかと恐れているが、自分が楽しいことはきっと楽しんでくれる人もいるはずであるという思い込みに支えられて、この本を世に出す。
【本書の内容】
序 章 『御堂関白記』とは何か
第一章 権力への道 ――政権獲得、彰子入内・立后など――
第二章 栄華の初花 ――敦成親王誕生、一条天皇崩御など――
第三章 望月と浄土 ――摂政就任、威子立后、出家など――
番 外 『御堂関白記』自筆本の紙背に写された『後深心院関白記』
終 章 再び『御堂関白記』とは何か
年譜/略系図/主な登場人物紹介/関係地図を掲載
*本書の原本は、2013年に講談社選書メチエより刊行されました。
内容説明
豪放磊落な筆致、破格の文体、そして抹消された箇所…平安時代最大の権力者は、自らの手で何を書き残したのか。「望月の欠けたる事も無しと思へば」はいかなる場で詠まれたものだったか。摂関期の政治、外交、儀礼の生々しい現場から家庭生活、精神世界までを描く世界最古の自筆本日記を、第一人者が徹底的に読み解く!貴重な原本写真を多数掲載。
目次
序章 『御堂関白記』とは何か
第1章 権力への道(長徳元年(九九五)政権獲得
長徳四年(九九八)大病 ほか)
第2章 栄華の初花(寛弘四年(一〇〇七)金峯山詣
寛弘五年(一〇〇八)敦成親王誕生(「はつはな」) ほか)
第3章 望月と浄土(長和五年(一〇一六)後一条天皇即位/摂政就任
寛仁元年(一〇一七)敦良親王立太子 ほか)
終章 再び『御堂関白記』とは何か
著者等紹介
倉本一宏[クラモトカズヒロ]
1958年、三重県津市生まれ。東京大学文学部国史学専修課程卒業。同大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程単位修得退学。博士(文学、東京大学)。現在、国際日本文化研究センター教授。専門は日本古代政治史、古記録学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sheemer
ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪
チョビ