出版社内容情報
「情報を鼓動とともに」「見知らぬ読者になりすます」「ばれるように嘘をつく」「望遠レンズで迫力を」「ギュッと締めて、フワッと放す」――。
わかって書いたら全然違う! よい文章を書くための基本作法から、効果を高める表現技術、そして読み手への配慮や書き手の心構えまで。日本語文体・表現の泰斗が、習熟度別3段階、59項目でまとめる、実用に役立つ、「名文」作成のための究極マニュアル。
【目次】
文庫版へのまえがき
一 〈書く〉 文章をはっきりと
1 [わかりやすい表現] 読まれなければ始まらない
2 [あいまいな表現] 誤解の芽を摘む
3 [文と文の接続] 関係は書き手がつくる
……
二 〈練る〉 表現をゆたかに
25 [情報待機] サスペンスをつくりだす
26 [漸層・漸降] 上りと下りは勢いが違う
27 [倒置表現] 計画的に取り乱す
……
三 〈磨く〉 文体をしなやかに
46 [書き出し] もう読まずにはいられない
47 [結び] ギュッと締めて、フワッと放す
48 [視点] カメラワークを意のままに
……
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さばずし2487398
31
読書好きなら何度も目に触れているような表現•技術なのだが、改めて章立てて、例文を幾つも出して丁寧に解説してある。時には高名な作家も悪い例として挙げているのもある意味面白い。「氣を抜くと文は長くなる」には納得。しかしどれだけ技術を磨いたとて、その人独自の氣配のある文章が書けるのは果てしない努力が必要。まずは自分の好きな作家をたくさん読み込み、分析するの繰り返しだと。あまたある例文の中で改めて実感したのは、文豪と呼ばれる人達の技術は最強という事。2024/01/12
naotan
9
章立てから面白い。「文末表現 足もとのおしゃれ」とか「句読点 打つも打たぬも思いやり」とか。2025/02/13
あんどうれおん
5
日本語を使った表現について、テーマを細かく設定し、その一つ一つを丁寧に解説した重厚な指南書です。物心ついてからずっと親しんできた言語であっても、簡単に使いこなせるとは限らない…と教えられる一方、何をどう意識することが望ましいのか学んだような気がします。残る問題は、習い覚えた内容をどこまで実践できるか、という一点かもしれません。がんばります。2023/11/20
ピラミッド
3
事典形式ではあるが読み物としても非常に面白い。数々の名文に触れられる楽しい一冊。引用元の小説や作者の他の本も読んでみたい2025/03/02
すばる
2
文章を書く人のための本かも知れないが、読む人にとっても面白い。作者の手の内を明かしてくれるような部分もある。これから本を読む際に少し意識するとより読書が深まるかも。引用されている名文の数々、ちゃんと読みたくなった。実際、「桜桃」読んだ。2023/10/17