内容説明
本書の第1章では、人間社会の変遷に伴ってアブラナやセイヨウアブラナの扱われ方がどのように変化してきたか、農業や社会との関連を考えてみた。第2章では、野菜を中心にして、どんなアブラナ科野菜が食卓を賑わしてくれているのかを前半に、後半ではそれら各種の野菜品種がどのようにしてつくられるかを述べてみた。第3章では、野菜の品種改良技術の一つとして始まった自家不和合性の研究がどのように発展しているかについて、とくに植物研究の側面から書いてみた。また、第1章には戦前、第2章には戦後、第3章には最近と、それぞれの時代における研究のトピックスという意味合いもある。
目次
1章 ナタネからのたより―ナタネと農業の変遷(江戸時代のナタネ;江戸時代以前;明治から昭和へ―ナタネ植物の変遷 ほか)
2章 菜の花からのたより―野菜の品種改良(菜の花の一族―アブラナ科の野菜;品種改良の原理;アブラナ科野菜における育種の歴史 ほか)
3章 花粉からのたより―自己と非自己の認識(自家不和合性とは;花粉と雌しべのあいだで何が起こるのか;生理的なアプローチ ほか)