目次
1 マレーシアの成り立ち(2種類の「2つの世界」―半島部世界とボルネオ島世界;地形上の特徴と小規模な国―労働力人口と社会変容 ほか)
2 人々の生業と生活(マレーシアには誰が住んでいるのか?―多民族・多国籍社会の横顔;マレー人とは?―その多様性と混淆性 ほか)
3 政治・行政の仕組み(マレー半島部の人々と政治―BN優位から政権交代を経て多党乱立へ;サバ州の人々と政治―選挙と政党 ほか)
4 経済の仕組み(マレーシア経済の根幹は?―新経済政策;人々のお金はどのように回っているのか?―財政の仕組み ほか)
5 「小さな国」の周囲との関係(マレーシア外交―多国間、途上国のリーダー、そしてイスラーム;ASEANとマレーシア―10か国のグループの一員として;マレーシアとシンガポール―近親憎悪から有機的関係へ)
著者等紹介
鳥居高[トリイタカシ]
1962年生まれ。明治大学商学部教授および大学院教養デザイン研究科担当。中央大学法学部卒業後、アジア経済研究所入所、マレーシア国民大学(UKM)客員研究員を経、1997年より明治大学専任教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Timothy
6
最近マレーシアが気になっている。中華系マレーシア人でマラヤを舞台に執筆する小説家に出会い、この国をもっと知りたいと思った。マレー人・華人・インド人(系)を中心とする多民族国家であり、多国籍化も進む。多様な文化が共存する一方、制度的にはマレー/イスラームに重きを置く側面もある。9州の君主(主にスルタン)が五年任期の輪番で国王になるというのも興味深い。アジアの一国として親近感があるが、国の様相は日本と根本的に異なるようだ。知らないことが多すぎてワクワクする読書。歴史上の日本の関与についての記述は少ない。2024/06/09
果てなき冒険たまこ
5
あとがきにもあるように「マレーシアに関する概説書、あるいは旅行ガイドブックよりも詳しい包括的な本」。その成り立ちから人々の生活、政治・行政、経済、外交と漏らすところのない目の行き届いた構成。これをざっくり読むだけでも随分知識的に網羅できる気がするな。自分的なマレーシアのイメージとしては、ムスリムが多い、自然がとにかくいっぱい、近代化とそれに伴う貧富差が見え隠れするといったところかな。あとみんなフレンドリー。観光地だからかもしれないけど日本人だとわかると「コンニチワ」ってずいぶん言われた。2025/05/09
竜王五代の人
3
エリア・スタディーズらしい国情のわかる良作。もとが熱帯雨林なので(今でも)人が少ない、原住民とされるマレー系も海外にルーツ持つ人多く、二度の労働者導入でやってきた華人とインド系、と環境と現状がうまくつながっている。それゆえの多文化共生社会と留学にくる人も多い大学事情も興味深い。自治権の強いボルネオ2州、各州スルタンと国王、もはや発展途上国ではないなど、なかなか個性豊かなところだとわかった。あとトルコから来て華麗な子孫たちを生んだ美女ルキヤ・ハニム。 2023/11/26
源次/びめいだー
2
2023年9月発行の本。マレーシアについて理解を深めることができました。2024/06/03
なにがし
1
マレーシア出張の前に読みました。政治や経済などはちょっと飛ばし飛ばし。 多民族国家が故の苦労、軋轢などよくわかった。微妙なバランスの上で成り立っているんだなという印象。古そうな書籍だなと思ったが、2023年だったのでそこはひとつ安心。2024/08/31