出版社内容情報
高1の安斎えるもは、この春、3年ぶりに東京から地元(ド田舎)に戻ってきた。いろいろあって、ボロボロになっていたえるもだが、久しぶりに見上げた地元の星空に感動し、天文部に入ることを決める。
しかし、天文部には変人の先輩が一人しかいないという状態だった……。
えるもは、部の存続のため奔走する中で、元来の利発さや情熱を発揮するようになっていく。
中学から
内容説明
高1の安斎えるもはこの春、3年ぶりに地元に戻ってきた。東京の生活でいろいろあって“ボロボロ”になっていたが、久閑野の星空に誘われるかのように、天文部に入ることを決める。しかし、天文部は変人の先輩が一人しかいない廃部寸前の状態―。部の存続のため奔走するうち、えるもは元来の利発さと情熱を発揮するようになっていく。
著者等紹介
天川栄人[テンカワエイト]
岡山県生まれ。京都大学総合人間学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。第13回角川ビーンズ小説大賞にて審査員特別賞、第9回集英社みらい文庫大賞にて大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆみねこ
80
中学校の3年間を東京で過ごし、高校で故郷の久閑野に戻って来たえるもは何をしてもつまらなく、田舎の久閑野に嫌気がしてSNSに依存する毎日。そんな時に出会った風変わりな先輩・嵐士と廃部寸前の天文部。まっすぐな部活もの、小学校高学年以上大人のみなさんにもお薦めです。2023/05/21
J D
73
先に続編を読んでしまったので、改めて読んだ一作目。えるもの過去がわかり、物語としては私の頭の中でつながるのだが、これはこれで良かった。青春が少し苦しい感じもするが、美しさは花火や月と共に伝わって来る。ラスト一行は「あー、青春だね!」とおじさんには眩しく尊かった。2024/03/30
まる子
30
3年前、東京に引っ越してSNSの些細な事で仲間はずれにされた。高校生になって、田舎に戻ってきた「えるも」は天文部に入部!そこにはちょっと変わった先輩が一人だけの部。なぜ一人なのか?彼は本当に星が好きなだけ、その領域は誰にも邪魔されたくない。中高生の狭い世界は、SNSで繋がっていないと不安になる気持ちはわかる。その不安な状況をどう乗り越える⁉️自分のこれから、先輩の過去、人によって持っているものは違う。えるもはこれからどうするのかな。2023年夏頃に続編発売予定。『おにのまつり』の天川さん。2023/04/27
あおけん
26
この方の作品を読むのは多分初めてです。図書館の新書コーナーにあったのをみて興味を持ったので借りてみました。東京でSNSが原因でいじめられて故郷の田舎に戻ってきた高校1年生のえるもが星に興味を持って天文部に入部する事に。昔、田舎の電灯もない山奥で星を眺めた事があって、その時は無茶苦茶星が綺麗だったなあ~って事を思い出しました。2023/04/27
みつ
24
図書館の新着本コーナーで見つけた本。表題から昔観た映画『セント・エルモス・ファイアー』を思い出し、「恐ろしく古臭い」(p7)夏の制服を着た青年男女四人が描かれる、どこか素朴な表紙絵にも惹かれ、手に取る。意外にも時代は現代で、SNSにのめり込み、それによって傷ついた主人公「えるも」が移り住んだ先の「ド田舎」(p5)の高校での天文部との出会いを、春から夏までの季節の星空、天文に関する話題とともに描く。いくらかの波乱を帯びつつも、全体に淡彩かつ清潔な筆致が彼らの世界に響き合う。同年代の若い人にお薦めしたい一冊。2025/05/02