内容説明
第9回メフィスト賞受賞作『QED 百人一首の呪』から25年。高田崇史が挑む新境地は、初の時代小説!目も鼻も口も耳もないのっぺらぼうの僧侶に暗闇から手招きされる。そんな悪夢に怯える藤沢宿の飯盛り遊女・お初は、間夫の破戒僧・勝道と弁財天の加護を求め、江ノ島へ。茶屋の婆から身投げした稚児の哀しい物語を聞いた二人は―。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
67
江戸時代の江ノ島詣でがどんなものだったのか、その一端が見え楽しく読みました。稚児ケ淵って昔から不思議な名前だと思っていましたが、その謂れは知らなかったので、びっくり仰天でした!考えてみると岩屋にお詣りしたのはもう4〜5年は前かなぁ…久しぶりに江の島散歩したくなりました。2023/06/24
雪紫
59
意外かもしれないが高田さん初の時代小説。不思議とさっぱり読みやすいが、想いや稚児の悲劇や、情念には惹き込まれるところも・・・。そしてまさかの狂言まで作ってる。これが面白いので、是非光景を見たくなる。2023/08/10
ポチ
44
江ノ島の不思議な話。も、良かったが、刀の小狐丸誕生を描く、狂言の「小狐丸異聞」は楽しく読みました。2023/06/17
モモ
42
江ノ島の江島明神に関する奇譚。立派な僧になりきれず、お初の稼ぎで暮らす勝道。藤沢宿から片瀬へ抜ける江島道で出かける。「稚児ヶ淵」の悲しい出来事。鎌倉の建長寺の立派な僧の自休が、百日参りで江ノ島に来た際、白菊という名のお稚児さんに一目惚れする。その白菊が稚児灌頂すると聞いて恋文を出し、そして起こる悲劇。それにしても稚児灌頂がむごい。その稚児ヶ淵で起きる怪異。次は、帝に奉納する刀にまつわる通し狂言。こちらも楽しめる。ちょっと読みづらいが、江ノ島の江島明神のことがよく分かる。江ノ島に出かけたくなりました。2023/08/01
よっしー
29
高田さんの新作とのことで、読んでみました。QEDシリーズが好きな身としては、純粋な歴史物の奇譚というのは少し読みにくい…と感じてしまいました。ただこのお話、創作ではなく伝説として残っている物だったようなので、それを知ってから読んだら、もっと楽しめたのかなと思いました。 とはいえ、後半の刀鍛冶のお話は、一時期自分の中でも刀剣ブームが来てたので、それを思い出して楽しめました。2024/08/09
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- 和書
- 木曜日にはココアを