出版社内容情報
私の仕事は無罪にすることで、
真相を明らかにすることではない。
30年前に少女を惨殺した過去を持つ弁護士・御子柴礼司。
事務所に〈この国のジャスティス〉と名乗る者の呼びかけに応じた800人以上からの懲戒請求書が届く。
処理に忙殺されるなか、事務員の洋子は、外資系コンサルタント・知原と夕食をともにした。がしかし、
翌朝、知原は遺体で見つかり、凶器に残った指紋から洋子が殺人容疑で逮捕された。
洋子の弁護を引き受けた御子柴は、洋子がみずからと同じ地域出身であることを知り…….。
一度心に巣くった獣は、簡単に消えはしない――
めぐる因縁そして〈復讐〉の結末は!?
内容説明
過去に人を殺したことがある弁護士・御子柴礼司。彼の事務所に八百通を超える懲戒請求書が届く。処理に追われる中、事務員の洋子が殺人容疑で逮捕される。殺害に使われた凶器に洋子の指紋が付着していたのだ。彼女の弁護を引き受けた御子柴は洋子の過去に疑念を覚えるが…。リーガルミステリーの真骨頂。
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
196
★★★★★★★☆☆☆御子柴シリーズ第5弾。御子柴への大量の懲戒請求への対応に追われる中、事務員の洋子が殺人容疑で逮捕された。弁護を引き受けた御子柴が気付いた彼女の知られざる過去とは…。御子柴は指紋の付いた凶器という鉄壁の証拠を崩せるのか。民衆を扇動する〝この国のジャスティス〟とは何者なのか。そしてなぜ洋子は御子柴の下で働くことを選んだのか。皮肉の効いた御子柴の言動に爽快感を覚える一方、警察・検察の捜査の杜撰さはもはやこのシリーズのお約束の域。音楽シーンはなくとも『復讐の協奏曲』というタイトルが腑に落ちた。2023/03/12
そる
193
御子柴礼司シリーズ5冊目。やっぱり一気読み。ドラマ化のおかげで脳内変換もしやすい。宝来ハマりすぎ笑。今回はネットで御子柴を懲戒請求させようとする動きがあり、ここでも現代社会の闇が見える。ネットって便利ではあるけど問題が多い。御子柴はいつも過去と向き合っていて本当に変わりたい人間にとってはこの社会厳しすぎる。だからこそ挫けない御子柴を応援したくなる。「「(略)長い年月の間に何があったかは分からないけれどもう昔の園部真一郎くんじゃない。依頼人のためなら自分が汚れるのも厭わないあなたは全く別の人間なんだって」」2025/03/24
ほんた
139
少年時代に人を殺めたことがある御子柴が弁護士を目指し,そして今では裁判では決して負けない。誹謗中傷を受けながらも,依頼人を無罪にする力,メンタルには毎回感服します。 https://hontablog.com/復讐の協奏曲2023/11/23
ケイ
112
御子柴の前身をよく知っていたものは、みな無事にはすまないようだ。洋子も何かあるとは思っていたが、やはり…だったのだが、彼女の考え方はとても同調できた。しかし、人間関係があまり近しくなっていくのはどうだろうか?……いや、どうだろうかというのは、私が御子柴に肩入れしてしまっているからだ。さて、次はもうシリーズ最後なのかしら。読みたいような、勿体ないような。2023/11/27
ま~くん
108
中学生当時に幼女を惨殺。バラバラに損壊した過去を持つ弁護士御子柴礼司。例え有罪間違い無しの極悪人でも執行猶予を勝ち取り、世間から大バッシングを受けても全く意に介さない。そんな御子柴法律事務所の事務員日下部洋子が殺人容疑で逮捕された。凶器には洋子の指紋しか付いていない。更に「この国のジャスティス」を名乗る人物の煽動により、御子柴本人に対する懲戒請求書が大量に事務所へ送付されてきた。犯人の目的は、そして洋子の無実をどう証明していくのか。中山七里の大ファンを自認する自分としては、どんでん返しの帝王の逆襲を待つ。2023/05/05