出版社内容情報
2019年「ダ・ヴィンチ」BOOK OF THE YEAR、第1位!
池井戸潤が描く、感動のリベンジ物語。
大手自動車メーカー・トキワ自動車のエリート社員だった君嶋隼人。
とある大型案件に異を唱えた結果、横浜工場の総務部長に左遷させられ、
同社ラグビー部アストロズのゼネラルマネージャーを兼務することに。
かつて強豪として鳴らしたアストロズも、いまは成績不振に喘ぎ、鳴かず飛ばず。
巨額の赤字を垂れ流していた。
アストロズを再生せよ――。
ラグビーに関して何の知識も経験もない、ズブの素人である君嶋が、お荷物社会人ラグビーの再建に挑む。
2019年、TBS日曜劇場で日本中を熱狂させたドラマ原作、待望の文庫化!
内容説明
トキワ自動車のエリート社員だった、君嶋隼人。常務の提案に異を唱えたことで、横浜工場の総務部長への左遷に遭い、低迷するラグビー部の再建を任されることに。ズブの素人のゼネラルマネージャーが、チームを一から立て直して、名門復活を目指す。TVドラマ化で日本中が熱狂した、手に汗握る長編小説!
著者等紹介
池井戸潤[イケイドジュン]
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。’98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、’11年『下町ロケット』で第145回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
納間田 圭
123
松たか子さん演じる主人公の妻の切れ味良い台詞が…とても素敵。あの人気ドラマの原作。でも原作では彼女の登場は極少。斜陽の暗い影が迫る…自動車メーカーの内情。既得権益にしがみ付く頭の固い輩達の…執念。経営合理化のために…一番最初に矢面に立たされる企業スポーツの運命。荒廃しきってしまった人達の心に光を灯す…ラグビーの精神。会社主流派に出る杭を打たれる形で…本社経営から外された君島。左遷先は…田舎工場。役職は…総務部長兼赤字続きのラグビー部ゼネラルマネージャー。そんなどん底から…這い上がる君島の姿はカッコいい2024/02/04
ケイ
100
安定の池井戸節。しかし、今回は妙な交友も生みだしているし、多少の変化球もある。ラグビーに詳しくない私でも、試合の様子がまざまざと浮かんだ。組んだスクラムが崩れるところ、踏ん張るところ、蹴られたボールがゴール近くに落ちるところ……。ラグビー協会の重鎮のトップは、日大の前理事長の顔で頭の中に登場して離れてくれなかった。2023/12/31
じいじ
96
暫くぶりの池井戸小説は、楽しませてくれます。今作の主題は、このところ俄かに人気の出てきた「ラグビー」。順調に出世の道を歩んできた主人公が、左遷かと腹を決めた赴任先は横浜工場でした。ズブの素人が、実業団リーグで低迷するチームのGMに…。彼の首を賭けてのチーム立て直しです。監督の人選から夢の優勝を目指しての物語が始まります。このストーリーは池井戸さんの十八番です。息も吐かせぬ展開は、面白いです。でも、少しばかり主人公の男が、出来過ぎで胡散臭いです。ストーリー・テラーの池井戸潤だから許しましょう。2023/01/17
五右衛門
89
読了。久しぶりの作家さんでした。相変わらず飽きさせずに最後の最後まで殆ど一気でした。相手(今回は社内、蹴球協会)が強ければ強いほど、憎たらしければ憎たらしいほど倍返しじゃ無いけれどGMが最後にどんでん返し❗気持ち良く終盤を迎えました。でも現実的にはみんなが突き当たったまま立ち尽くしている問題です。この物語のように撃ち破って行きたいです。明日に向かって撃つべし。撃つべし。撃つべし。2022/12/18
タツ フカガワ
79
トキワ自動車のエリート社員君嶋は、常務取締役が進める買収案件に異を唱えたことから横浜工場の総務部部長兼同社社会人ラグビー、アストロズのGMへ左遷される。ラグビーにまったく素人の君嶋は、リーグで低迷するアストロズを廃部にしようとする本社の意向に抗い、優勝への道を模索する。作者には『ルーズヴェルト・ゲーム』という社会人野球を題材にした小説もありますが、本作はそれにも増して熱いラグビー小説で、何度も目頭を拭いながら読了。なかでもゲームの描写が素晴らしかった。ここ数年のなかで最高の“胸アツ”本でした。2025/01/14