講談社学術文庫<br> 般若経―空の世界

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講談社学術文庫
般若経―空の世界

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  • サイズ 文庫判/ページ数 224p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065297353
  • NDC分類 183.2
  • Cコード C0115

出版社内容情報

「世界に固定した実体は存在しない。あらゆるものは“空”である」。
ものへの執着と、輪廻の恐怖から人々を解放した「般若経」。
1世紀半ばといわれる成立以降、数々の翻訳や加筆により、分散や繰り返しも多く、理解が難しかった大経典に、<空思想>の泰斗が正面から対峙。素朴で力強い思想の魅力を描きつつ、仏教思想史における位置と意味を明らかにする!

本書の原本は二〇〇二年八月、中公文庫BIBLIOより刊行されました。

目次
まえがき
序章 説話と思想
玄沙出家
『ヴィシュヴァーンタラ・ジャータカ』
布施太子の入山
常悲菩薩本生
サダープラルディタ(常悲)とダルモードガタ(法来)
哲学の発生

第一章 大乗仏教への道
シャーキヤ・ムニと大乗の菩薩
出家と在家
ストゥーパ (舎利塔)とヴィハーラ(精舎)
教団の分裂
ジャータカ (本生話)とアヴァダーナ(譬喩)

第二章 般若経の背景」
ボサツと菩薩
僧院の仏教
すべてがあると主張する者――有部の哲学(1)
区別の哲学――有部の哲学(2)
三世実有・法体恒有――有部の哲学(3)

第三章 「般若経」の出現
『八千頌般若経』の成立
過去仏・現在仏・未来仏
アクショービヤ如来
哲人マイトレーヤ (弥勒)
「般若経」の発展

第四章 「般若経」の思想(1)
仏母の発見
菩薩大士
大乗――声聞・独覚の批判
本来清浄――実在論批判

第五章 「般若経」の思想(2)
不二
般若波羅蜜
廻向――ふりむけの思想
巧みな手だて
菩薩の階位
縁起と空
参考文献

内容紹介

たとえば私の目の前にある机という個物は机という本体をもっていない。なるほど私がその前にすわってその上で原稿を書けば、それは机である。しかし私がそれに腰かければそれは椅子以外の何であろうか。(中略)そのようにさまざまな認識とさまざまな効用が起こるのは、その机に机の本体がないからである。机は机として空であり、本体は思惟における概念にすぎない。愛情は凡夫にとっては迷いの絆きずなであるけれども、菩薩や仏陀にとっては有情を見捨てない慈悲である。どうしてそこにただ煩悩という本体だけを認めることができようか。―――第五章「般若経」の思想(2) より

内容説明

「世界には固定した実体などは存在しない。あらゆるものは“空”である」。ものへの執着と輪廻の恐怖から人々を解放した「般若経」。紀元前後から一世紀半ばといわれる原型成立以降、度重なる翻訳や加筆によって難解になった大経典を、“空思想”の泰斗が正面から解説する。素朴で力強い思想の魅力を描きつつ、仏教思想史の真髄に迫る、至高の入門書!

目次

序章 説話と思想
第1章 大乗仏教への道
第2章 「般若経」の背景
第3章 「般若経」の出現
第4章 「般若経」の思想(1)
第5章 「般若経」の思想(2)

著者等紹介

梶山雄一[カジヤマユウイチ]
1925年、静岡市生まれ。京都大学文学部哲学科卒業。専攻は仏教学。京都大学教授、佛教大学教授のほか、ハーバード大学やウィーン大学などで客員教授を務め、2004年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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HANA

61
般若経だけを解説したものではなく、根本分裂から上座部の学説、それへの対抗として成立した般若経の役割等から書き下ろされている。その為中心となっているのは上座部と大乗仏教の関係が中心となっていて、般若経自体の思想に触れた部分は少ないかな。ただ根本分裂からの歴史をたどる事によって両者の思想が対比されわかりやすい。あと般若経の思想時代も菩薩や回向、空など大乗の中心を占める思想は短いながらもしっかりと解説されているのは流石。何より説一切有部の刹那滅や三世実有と空思想の関係が改めて確認できた点はありがたかったです。2022/12/08

ショア

20
仏教用語が多くて素人には難解だった。。2022/12/31

ryohjin

15
釈迦が始めた仏教が、部派仏教を経て、大乗仏教が登場する。その最初期の経典、『八千頌般若経』を取り上げ解説しています。最高の知恵「般若波羅密」が説かれ、自分ひとりだけの悟りから一切の世間の人々の救いを目指す方向への転換が示され、空の理論が提示されます。空は、ここでは幻や夢といった言葉で表され「物質は、物質としての本体をもたない」などと説明されますが、その意味するところはすぐには理解できそうもありません。経典では釈迦が帝釈天(インドラ神)に説く場面もあり、異教徒への布教を意図したと思われる構成も興味深いです。2023/09/07

Go Extreme

1
大乗仏教への道: シャーキヤ・ムニと大乗の菩薩 出家と在家 ストゥーパとヴィハーラ 教団の分裂 ジャータカ とアヴァダーナ 般若経の背景: ボサツと菩薩 僧院の仏教 有部の哲学 すべてがあると主張する者 区別の哲学 三世実有・法体恒有 「般若経」の出現 『八千頌般若経』の成立 過去仏・現在仏・未来仏 アクショービヤ如来 哲人マイトレーヤ 「般若経」の思想: 仏母の発見 菩薩大士 大乗―声聞・独覚の批判 本来清浄―実在論批判 不二 般若波羅蜜 廻向―ふりむけの思想 巧みな手だて 菩薩の階位 縁起と空 2022/11/13

ゲスト

0
大衆部と上座部の根本分裂。説一切有部は「全ては実在する」(映画のフィルムのように、映る瞬間のみが諸行無常)。それに対して、般若経が成立。独覚、声聞を批判し、菩薩大士を目指す。全ての本性は空で、それは縁起によって成り立つからである。八千頌般若経における、幻想的で魅惑的な世界観。三千大千世界という広大な世界と、ブッダの過去生。/実体がなく、本性がないという個別を排した世界観のみでなく、そこから戻るという菩薩大士の考え方は、間違いなく宗教的境地である。それにしても、壮大な世界に生まれてしまったと感じる。2025/01/31

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