講談社学術文庫<br> 個性という幻想

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講談社学術文庫
個性という幻想

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  • サイズ 文庫判/ページ数 296p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065297285
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0147

出版社内容情報

生前にはアメリカの医学界を陰で支配しているとまで言われながら、没後はその名さえ忌み嫌われたハリー・スタック・サリヴァン(1892―1949)。1970年代にアメリカ精神医学の源流として再評価され、さらに近年、人間社会と精神疾患の関係を論じた先駆者として再注目される精神医学者の、本邦未訳の論考を中心とした著作集。
サリヴァンが生涯をかけて訴えたのは、人間同士の差異よりも、互いを結び付けているものに着目することの重要性だった。患者一人ひとりを診るのではなく、「人間集団に対する精神医学」を唱えたのである。しかし、「個性とは幻想である」という見解は当時、あまりにラディカルでほとんど危険思想のように受け取られた。今世紀になり、「トラウマ理論」や「発達病理学」といった学際的研究領域が確立してようやく、サリヴァンの提出した課題に科学として取り組めるようになったのである。
本書は、初出出典に基づいて訳出した日本語版オリジナルの論集で、徴兵選抜、戦時プロパガンダ、反ユダヤ主義、国際政治など、実社会に関する特に重要なものを選んだ。収録した12編のうち11編は、日本で唯一未訳の著書“The Fusion of Psychiatry and SocialSciences” にも収められている。
なお、編訳者の阿部大樹氏は、サリヴァン『精神病理学私記』で日本翻訳大賞を受賞。今年10月に京都で開催される「サリヴァン・フォーラム」にも登壇する予定。

目次

編訳者まえがき

第一部 精神医学とは何か
精神医学入門三講
社会科学百科事典『精神医学』
黒人青年についての予備調査
症例ウォレン・ウォール
個性という幻想
不安の意味

第二部 精神医学の応用
プロパガンダと検閲
反ユダヤ主義
精神医療と国防
戦意の取扱いについて
リーダーシップの機動化
緊張――対人関係と国際関係

索引

内容説明

対人関係が精神疾患を生むメカニズムを探究し、今あらためて注目されるH・S・サリヴァン(一八九二‐一九四九)。個人の間の差異よりも、人間を互いに結び付けているものに着目し、人種差別、徴兵と戦争、プロパガンダ、国際政治など、精神医療と実社会の関わりを論じる。社会科学の中に精神医学を位置づけた、本邦初訳の論考を中心に新たに編集。

目次

第1部 精神医学の基礎篇(精神医学入門三講;精神医学―『社会科学百科事典』より;黒人青年についての予備調査;症例ウォーレン・ウォール;「個性」という幻想 ほか)
第2部 精神医学の応用篇(プロパガンダと検閲;反ユダヤ主義;精神医療と国防;戦意の取扱いについて;戦後体制に向けたリーダーシップの機動化 ほか)

著者等紹介

サリヴァン,ハリー・スタック[サリヴァン,ハリースタック] [Sullivan,Harry Stack]
1892‐1949。アメリカの精神科医

阿部大樹[アベダイジュ]
1990年生まれ。精神科医。訳書にH.S.サリヴァン『精神病理学私記』(共訳。第6回日本翻訳大賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Z

6
本質的な精神分析、精神医学の論考を読みたかったが、応用的な社会、政治的な問題を上記の観点からみた論考が多く、知りたいことはあまり書かれていなかった。本格的な論文を次は読まないと2023/06/04

フクロウ

2
難しかった。個性を幻想と見る手つきはエリクソン派の、個人の人格を実在するものとは見ない(が、治療にあたり外部行動の統合点として人格を措定した方が便宜だからそうする)考え方と親和的にも感じた(エリクソンがフロイトを参考にしているから不思議はないが)。2023/11/28

エジー@中小企業診断士

2
サリヴァンの最も論争的な文章を含む論集。WW II中や戦後の執筆・講演が訳出されている。人間には文化、社会体制、或いは言語や定式化された概念などが含まれる環境が必要不可欠であり、「個性」なるものが慣習的な語彙、サピア=ウォーフ的な構築物に過ぎないと論ずる。人格それ自体は単独で取り出すことが不可能であり、私たちは皆、対人関係の数と同じだけ人格を持つ。対人関係の多くが幻想上の非実在人物群を現実上で操作することから成り立っていて、しかもそれがしばしば実在人物群よりも重大視されている。即ち、個性とは幻想である。2023/03/18

Starr Stream

1
症例と共に、不安や統合失調症について以外にも、戦争や国防という分野にまで精神医学を応用して書かれた論考集。訳者のメモにあるように文体が分かりづらいので(こういう業界だと命取りな気もするんだが)、中々読みづらいが、1940年代という時代にしてはとてもラディカルな主張をしている。簡潔に言えば、「人間というのは交流的な性質を避けて生きられないので、個性というものに注目するよりその人の交流に着目するべき」という、今では至って普通なものだが、当時主流だったフロイトの論と真逆だったので腫れ物扱いだったという。2024/02/07

small_akuto

1
心理学、精神医学を、プロパガンダ、国家間の紛争、差別や、徴兵におけるメンタルテストなどに応用拡張しようとしたサリヴァンの論文集。 アメリカは1940年代にそんなことまで考えてたんだと思った。 サリヴァンは人間が戦争に行くことについて現実を直視していたように思えた。よく指揮官は兵を駒として見なければいけないっていうけど、サリヴァンは真逆で、生きた人間が戦場に行く、その中で能力を発揮するとこを真剣に考えてた。兵を肉壁としか考えない国とは次元が違うなと。 やや難解なところもあり、後日読み返したいけど図書館本…2023/09/10

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