出版社内容情報
端山 好和[ハヤマ ヨシカズ]
著・文・その他
内容説明
高校の理科四科目、地学・物理学・化学・生物学を別々に学ぶだけでは、本当の科学の意味は理解できない。本書は、この四分野を宇宙・地球観の歴史、物質観の歴史、技術の歴史、生命観の歴史に区分し、全体を見渡す「自然科学史」の視点で描き直す。古代の占星術から、アラビアの科学、ルネサンス、産業革命を経て、現代の原子力開発と遺伝子操作まで。
目次
序章 科学史概観
第1章 宇宙・地球観の歴史(古代自然哲学における天文学;ニュートンによる天体力学の完成;二〇世紀初期までの地球観;現代の宇宙論;二〇世紀後半の地球観)
第2章 物質観の歴史(哲学的原子論と錬金術;科学革命と近代的原子論・分子論;有機物質の化学;物質の究極的構造の解明―現代物理学の誕生と発展;二〇世紀後半の合成有機化合物)
第3章 技術の歴史(技術の起源と古代の技術;中世から近世初期の技術;産業革命と技術の近代化;電磁気学の発展とその応用)
第4章 生命観の歴史(古代・中世の医学;生物学の近代化;産業革命後の生物学)
著者等紹介
端山好和[ハヤマヨシカズ]
1927年、神奈川県生まれ。東京大学理学部地質学科卒業。理学博士。東京農業大学教授、日本地質学会会長などを務め、2022年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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羊山羊
11
自然科学と哲学史の関係を知ろうと思い、この本を読んだ。自然科学がジャンルごとに分けられて、簡単な通史として読めるようになっている。 読んでいて初めて実感したけど、自然科学が科学らしい学問体系の形を成したのは、実はルネサンス、16世紀からなのだ。古代ギリシャやエジプトでも、確かに高度な天文学があったり、数学が発展してはいたが、それが哲学や世界観と結びついておらず、近代的な科学哲学の思想は、科学革命やルネサンスを通して一気に打ち立てられた。→2024/01/08
蕎麦
3
自然科学の範疇となる、天文学、力学、化学、医学、生物学などの歴史的事実を網羅的に記述した大著。もう少し列伝的要素もあると楽しんで読めたと思うのですが、、、後半は読み飛ばしてしまいました。「…その子ヴュルツがアカデミーの会員でなかったために発表に手間取り、ケクレに遅れを取り、果ては精神病を患い、30年以上も廃人同様な生を生きたクーパーがいたのである。」の一文が心に沁みました。。2022/11/13
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