出版社内容情報
古風(さきかぜ)十一(じゅういち)、話を聞く耳を持て。
裁きの陰で泣いている者はおらぬか。晩年の大岡越前を支え、少年の死の謎を追う若き十一。
町奉行から外れても、大岡越前は裁きが気にかかる。
十七年前、寺の年若い下男が折檻されて殺され、山桜の下に埋められた。父親が下手人御免の願いを出し、皆、お咎めなしと決した。
その事件にいま、ある疑惑が浮かぶ。大岡越前は、鷹匠の子・古風十一に探索を命じた。
あの裁きは正しかったのか?〈文庫書下ろし〉
辻堂 魁の「次」はこれだ!
味わい豊か、情感あふれる異色の事件帖。若き古風十一の活躍を描く、上質な時代書下ろし小説!
内容説明
町奉行から外れても、大岡越前は裁きが気にかかる。十七年前、寺の年若い下男が折檻されて殺され、山桜の下に埋められた。父親が下手人御免の願いを出し、皆、お咎めなしと決した。その事件にいま、ある疑惑が浮かぶ。大岡越前は、鷹匠の子・古風十一に探索を命じた。あの裁きは正しかったのかと。
著者等紹介
辻堂魁[ツジドウカイ]
1948年高知県生まれ。早稲田大学第二文学部卒。出版社勤務を経て作家デビュー。「風の市兵衛」シリーズは累計200万部を超え、第5回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞、ドラマ化でも好評を博した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
87
晩年の大岡越前の心残りを十一が追う。その第二弾。正直、派手な感はなく、比較的地味な感もあるのだが、僕はつい手にしてしまう様なシリーズ物なのである。確か一巻はこの組み立てに惹かれて読了。今回の二巻目は、ストーリーにも惹かれた上で、十一等、登場人物の輪郭がしっかりしてきた感もある。本シリーズのサブタイトルである大岡捌き再吟味、なかなかの妙味があると僕は思っている。2022/11/23
やま
65
寺社奉行、大岡越前守忠相が、過去の気がかりな事件を振り返る物語。時は、元文元年(1736)の冬十一月。忠相は、八代将軍徳川吉宗の御鷹狩りで颯爽と走る千駄木組鷹匠組頭、古風昇太左衛門の十一番目の息子、十一と知りあう。この若者を気に入り、年が明けた元文二年に十人扶持をあたえる。米問屋、高間伝兵衛方の手代の八右衛門が惨殺された事件を調べた褒美に、元文三年春に十人扶持から二十人扶持に加増する。2023/05/06
はつばあば
47
1巻は越前がなぜこういう再吟味に至ったかという導入と十一との接触。この2巻目は17年前に寺の8才の下男が殺害されたのに犯人にお咎め無し。しかも実父が嘆願するやなんて・・という事件。寺のお坊さんが死ぬ前に中途半端な懺悔。十一さんの登場は少なかったですが悪人成敗はスカッとします。それにしても御老中に巣くう大店とツルム輩。まだ8代目の吉宗でこのていたらく。今の自民党に巣くう統一教会の面々となんら変わりない。お半とがま吉がいい味だしてきました(#^^#)。十一の爽やかさに参ったかな(^^♪2022/10/31
baba
43
晩年の大岡越前の心残りを十一が手助けする。一つの疑問を丁寧に、(時に丁寧すぎて同じことを繰り返すこともある)解決に導く手法や周囲や自然の描写がさりげなく添えられてる文章は好みです。シリーズ2作目となり、登場人物の設定もしっくりなじんできてこれからが楽しみです。2022/12/10
ひさか
33
2022年9月講談社文庫刊。書き下ろし。シリーズ2作目。前巻と同様な展開で進む、冤罪の再調査の顛末だが、ものすごく地道。ラスト付近で調査結果が語られるが、そこまでをこの長さでひっぱるのは相当にしんどいことで読み疲れする。まぁ顛末が将軍まで届き、大岡にお褒めの言葉があつたのが救いかな。2024/02/20