出版社内容情報
鴻上 尚史[コウカミ ショウジ]
著・文・その他
内容説明
読むと、思わず誰かに話したくなる30の物語。「人とつきあうのが仕事」の演出家が、現場で格闘しながら、ずっと考えてきたこと。
目次
1 異文化で人間について考える
2 立ち止まって考える
3 からだを意識する
4 性の世界は奥が深い
5 才能ってなんだ
6 希望について
著者等紹介
鴻上尚史[コウカミショウジ]
1958年愛媛県生まれ。早稲田大学法学部卒業。作家・演出家・映画監督。大学在学中の1981年、劇団「第三舞台」を旗揚げする。’87年『朝日のような夕日をつれて’87』で紀伊國屋演劇賞団体賞受賞、’94年『スナフキンの手紙』で岸田國士戯曲賞を受賞。2007年に旗揚げした「虚構の劇団」の旗揚げ三部作戯曲集『グローブ・ジャングル』では、第61回読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
82
そうそう・・と、同感できることが多い。その深さ・広さは違うだろうが、向いている方向が近いのだと思う。以前読んだ、社会と世間のことを思い出しながら読んだ。何かをするには、多少なりともズレが生じるし、だからこそいいと思う。いろいろ投げかけることから始めているが、それでいいと背中を押してもらった気分。それにしても、蜷川幸雄さんの話は凄すぎる。2023/03/16
ムーミン
40
「孤独と不安のレッスン」の印象の強さから手にしましたが、うんと軽い文章でした。2022/09/18
kawa
34
劇団「第三舞台」の主宰者・演出家である著者のエッセイ。昔、ある演劇イベントで某劇団のお世話をする機会があった。舞台袖で、スポット・ライトを浴びる俳優のあの快感を味わったら、おそらく他の仕事は出来くなるなと強く思ったことが印象に残っている。それが当たっているかはともかく、著者が言うように演劇は「人間の弱さやずるさ、情けなさを描く」もの。私のような市井のものとは異なる価値観、物の見方が支配される世界なのだろうと思う。そういう意味で、著者の硬軟、強弱様々な意見は、ひっかかる、ひっかからない含めて興味深い。2023/03/20
KEI
30
27年続いた雑誌のエッセイの良いものを3分冊にしたそのうちの1冊。私はこれで2冊目として読みました。自分を突き放し客観視することでまわりも冷静かつ的確に俯瞰して書いている印象。下世話な話もあるが少し気品も感じます。元気がない時に読むと自分を肯定されたようで(それでいいんだよと感じるのは僕だけでしょうか)元気がでます。2024/10/13
Rie【顔姫 ξ(✿ ❛‿❛)ξ】
29
鴻上さんのエッセイは、楽しくて読みやすいけれど、人間についての考察は多様で深みがある。演劇や演技、演出を通して感じたことが書かれているのでそれも興味深い。鴻上さんのみた黒沢監督や演出家蜷川幸雄氏の話は印象的。ちょうど、日経新聞の「私の履歴書」で俳優の山崎努氏の連載を読んでいたのでそれと絡めて読めたのもよかったかも。人間のぶつかり合いのなかで作られていく演劇の世界は、会社とか他のすべての組織に通じるところがある。3部作になっているので、次の1冊も読んでみたいと思った。2022/08/28