出版社内容情報
島田 雅彦[シマダ マサヒコ]
著・文・その他
内容説明
CIA就活生が日米両政府を巧みに欺く、「私の暴走にどうかお付き合いください」世直しか、テロリズムか?日・米・中・韓を壊乱する壮大なエンターテインメント!
著者等紹介
島田雅彦[シマダマサヒコ]
1961年、東京都生まれ。東京外国語大学ロシア語学科卒。1983年「優しいサヨクのための嬉遊曲」を発表し注目される。1984年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、1992年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊勢整文学賞、2016年『虚人の星』で毎日出版文化賞、2020年『君が異端だった頃』で読売文学賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
253
島田 雅彦は、デビュー以来30年以上に渡って読んでいる作家です。本書は、著者らしい国際謀略巨篇でした。売国奴によるアメリカ隷属国家、日本は何時まで続くのでしょうか? どうして欧米人は、ほとんどキリスト教にも関わらず、娘にマリアという名前をつけ凌辱されるような不敬なことをするのでしょうか?日本人で、菩薩、聖母、天女のような名前をつけるのと一緒です(笑) https://online.mixalivetokyo.com/blogs/shimada_bigcircus/about2022/04/12
KAZOO
138
島田さんの作品を初めて手に取りました。現代日本を舞台とした架空小説なのでしょうが、非常にリアリティを感じさせる小説でした。結構分厚い本で手に取るのをためらっていましたが、読み始めるとあっという間でした。前半は、CIAの職員になるためにはかなりな関門があるということがわかりました。後半に入ると、裏の世界の大物とやくざの兄とその妹(キリストのような)の存在がノンストップシネマを見ているような気がしました。2023/09/04
とよぽん
97
あぁ、ついに読み終わった。終盤、名残惜しいのと結末が気になるのとで小間切れに読んだ。島田雅彦作品を初めて読んだが、なかなか読み応えのある質と量を併せ持つフィクションだった。ジョーカー大統領とか、グレイ、グリーン、レッド、ブラックなどを人物名に使っていたりしてエンタメ要素もありながら、日米同盟という名の隷属関係を一掃しなければ自由独立国とは言えない日本! という芯が揺らぐことはなく、まだ途上ではあるが「世直し」を見せてもらった。私の今年のベスト幾つかに入ると思う。2022/10/08
Lara
81
御影寵児がCIAエージェントに応募、採用に至るまでの面接経緯、更に採用後「アジア政策研究センター」で実際に勤務を始める。その辺りまでは緊迫感もあり、これはノンフィクションかと思ってしまうほど。現状の日米関係、対中国の在り方も現実的で、かなり興味が持てた。後半は、ちょっと現実味が薄れ、やっぱり小説だと思わされたが、とても 楽しめた作品でした。2023/04/02
TATA
72
大学生の頃によく読んだ島田雅彦さん。いろいろあった時に友人から勧められて読んだのが「僕は模造人間」とか「優しいサヨクのための嬉遊曲」とか。こちらの作品は対米隷属を止め真の自主独立を果たすべしという志士たちの闘争を描く。今の日本を思えばこれはある種のファンタジーか警世の書か。読後、思った以上に考えるところが多い読書でした。2023/03/05