出版社内容情報
吉田 菊次郎[ヨシダ キクジロウ]
著・文・その他
内容説明
たかがお菓子というなかれ!政略結婚によってフランスへ伝わったマカロン、参拝記念として配られたレープクーヘン、名称をめぐり裁判にまで発展したザッハートルテ、大航海時代にポルトガルからはるばる日本までやってきたカステーラ…。名店「ブールミッシュ」の創業者が豊富な知識と文献から読み解いた世界をめぐる、お菓子一〇一の誕生秘話。
目次
南蛮菓子
フランス
スイス
ドイツ
オーストリア
イタリア
スペイン
ポルトガル
イギリス
他のヨーロッパの国々
アメリカ
太平洋の国々
アジアの国々
日本の洋菓子
和菓子
日本各地
著者等紹介
吉田菊次郎[ヨシダキクジロウ]
俳号・南舟子。1944年東京生まれ。明治大学商学部卒業後、フランス、スイスで製菓修業。その間数々の国際賞受賞。帰国後「ブールミッシュ」を開業。フランス共和国より農事功労章シュヴァリエ叙勲。現代の名工受章、2005年、天皇皇后両陛下より秋の園遊会のお招きにあずかる。現在、「ブールミッシュ」会長の他、製菓フード業界の要職を兼ねる。大手前大学客員教授、フランス料理アカデミー・フランス本部会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よこたん
50
“どこの地にもこれはという郷土のお菓子がある。どう好みが変化しようと厳然としてあり続ける。そこがうれしい。” 時代とともにうつろうものと、変わらないもの。洗練されていくものだけが素晴らしいのではない。無骨なままに、そのまま受け継がれる味もまた、素晴らしい。美味しいなと思うものは、誰かに勧めたくなるのが不思議。その気持ちが、世界中に伝わってその土地に応じた形に変化して現在に至る。南蛮菓子よありがとう。クルミのヌガーを分厚いビスケット生地で包んで焼き上げた、スイスのエンガディナー・ヌッストルテを食べてみたい。2022/03/06
冴子
21
せっかくなので中の写真もカラーが良かったな。元の出版が1998と古いのでちょっとずれてる感じもあったが、ババが久しぶりに食べたくなった。柏餅やぼた餅があったのに、桜餅がなかったのが寂しかった。こんなに東西で違う和菓子も珍しいのに。バクラヴァ、なかなか食べられないので、どこかにないかしら? お菓子の歴史が遡って語られていたのは楽しかった。旅行してもなかなか現地のお菓子を口にする機会は少なくて、ザッハトルテと金平糖くらいかな、わざわざ食べに行ったのは。スペインのポルボロンとトルコのロクムはもはや定番ですね。2024/02/29
うなぎ
16
読むスイーツと書かれた帯に惹かれて購入。各国のお菓子の蘊蓄がひたすら紹介されてて思ったより目新しさはなかったけど、序盤の江戸時代の頃に伝わったのに正体不明で変な名前だけ文献に残ってる南蛮由来のお菓子たちの章が興味深かった。「おべりやす」とか想像もつかない…(・・?)2022/01/24
クナコ
12
初読。バレンタインに寄せて。以前からずっと気になっていた各国のお菓子についての本。冒頭日本における南蛮菓子(後世に伝わらず朧氏となってしまったものも含む)の紹介から始まったので、手に取る本を誤解していたかとも思ったが、読み進めればタイトルに違わぬ面白い本だった。文庫化までに何度かの加筆修正があるとはいえ元本が98年とあって、今ほど海外の菓子類が知られていない時代によくここまで調べたものだと感心した。著者はもう高齢だとは思うが、さらに研究あるいは後継に希望をつなぎ、本書を厚くしていってもらいたい。2024/02/09
ねこさん
12
お菓子が好きなので気になって読んでみた。総勢101種類のエピソードが紹介されていて、知らないお菓子も沢山あり、国ごとに項目が分かれていたので読みやすかった。2023/01/03