内容説明
「神」はどのような存在か?どこから発生したか?アジアの祭、年中行事、民間信仰を深く広く探り、民俗学研究をとおして、日本と日本人の本質を考える。貴重な写真多数。
目次
第1章 季節の風、山と野にカミの去来をうながす
第2章 自然崇拝、日神を育む
第3章 縄文・葬地の巨木が祖霊と日神を結ぶ
第4章 飛翔する鳥、やがて「鳥居」に留まる
第5章 カミ、ホトケと出会い「神社」を生む
第6章 世界の中心をめぐり、旋舞する
著者等紹介
萩原秀三郎[ハギワラヒデサブロウ]
1933年、東京都に生まれる。1957年、東京教育大学日本史学科卒業。出版社勤務を経て、写真家・著述家。現在、国際日本文化センター共同研究員、民俗芸能学会評議員。フリーの民俗研究者として、神楽・田楽・猿楽に能の古態を探ることに始まり、民間信仰・儀礼文化・年中行事・祭などを手掛け、さらに日本文化の本源を求めて東アジアを広く踏査し、比較民俗学研究を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tama
8
図書館本 なぜ人間は神を欲したかを知りたくて探していて。内容は違うし著者のアクにも参ったが面白かった。蓑笠姿で他人の家に入り、そこの禍や厄を担って払われ除災される年神。茅は神招き。稲・粟の刈り始め終いの春分秋分祭こそ大事だった。素戔嗚は本来疫神で死界の神だが現世に来るときには荒魂となる。三内丸山の柱跡は建物柱でなく神の降りる目印、ヨリマシ。ちゃんと死んだ者は葬地に葬り時期が来たら里山に移す。だから山、森、歳の神は子孫が敬う祖先神でもあり、手厚くしないと怒って怖い・祟る。なるほどねー さて次はアブラハム神。2020/05/20
かねかね
3
発生といった感じではなく、色々と総括して語ってるって感じがしました。日本神話と民間の神事と考古学知識は若干入れておかないと理解は難しかもしれないです。2011/06/26
darger@活字
3
中級者向け?前提として求められる知識が多いし、テーマの焦点が散らばってるので初心者にはさっぱりだった。2011/06/22
わ!
2
著者(フリー民俗学研究家)の萩原秀三郎さんは、アジアをまわることにより、民俗の比較論がたくさん本の中にも記されていて楽しい。たとえば、神社の鳥居の話。未だに、その根源的な意味がつかめていない鳥居だが、本の中では、面白い考察が成されている。太陽と鳥…太陽信仰と柱…そして、境界を表す注連縄…これらの要素が混合されて鳥居が出来た。しかしそこに結論づけていないところがまた親切でもある。あくまで調査で調べた内容を、事実に則して書いてあるだけで、学術的に認められていないところまで、持論を記していないところも良い。2011/07/15
とまる
2
きっと発生とはもっと小さなもの。この本は寧ろとても広い視点から書かれているから、ここで知った習わしを1つづつ丁寧に考えたい。2011/07/13