出版社内容情報
世界的なタイトルを次々に生み出す、漫画家、イラストレーター、映像監督、シナリオライターなどのジャンルに囚われない創作者の顔を持つ大友克洋。漫画だけではなく、絵コンテ集、シナリオ集、アニメといった全仕事を時代順に組み直したファン待望の全集がいよいよ発売
・第1回配本の発売日:1月21日(金)
・シリーズ名:OTOMO THE COMPLETE WORKS
・発売日:隔月15~20日頃
・判型:B5変型サイズ
・巻数:第1期全11巻予定
第一回配本
第8巻「童夢」
第21巻「Animation AKIRA Storyboards 1」
・初版限定特典:各巻にステッカーを封入
・全巻購入特典:全巻購入“予約”特典はございません。
・各巻に封入されている応募券を集めての応募となります。
・応募券は初版だけではなく、重版分にも封入いたします。
・特典内容は決まり次第、お知らせいたします。
・特典は講談社よりお客様に直送いたします。
OTOMO THE COMPLETE WORKS とは?
世界的なタイトルを次々に生み出し、漫画家、イラストレーター、映像監督、シナリオライターなどのジャンルに囚われない創作者の顔を持つ大友克洋。その多様な「全仕事」のすべてを、作者である大友克洋自身が時代順に俯瞰、総括、そしてリ=プロデュースするのが「OTOMO THE COMPLETE WORKS」(大友克洋全集)です。日本から世界中に衝撃をもたらした表現方法の集積は、一人の作家のパーソナルな仕事集というだけでなく、1970年代から現代までの漫画、アニメ、映像までをも含む、現代文化の冒険を愉しめる作品集とも言えるでしょう。時代によって何が生み出されたか。作家は時代に何を見て、考えてきたのか。そして作家は、次に何を試みていくのか。──作品から発言までを網羅することで、作家としての進化を明らかにし、次の世代の創作者へその姿勢を伝えていく。この全集は作家自身が自らを「作品化」し、手触りも含むモノとして記録する、まったく新しい全集となります。(編集室より)
【著者プロフィール】
大友克洋
漫画家・映画監督。宮城県出身。
1973年「漫画アクション」にてデビュー。代表作に『童夢』『AKIRA』など。
1988年、自ら制作したアニメーション映画『AKIRA』は日本国外でも高い評価を受け、海外における日本アニメムーブメント(ジャパニメーション)のさきがけとなった。
2013年、日本政府より紫綬褒章。2014年、フランス政府より芸術文化勲章オフィシェ。
2015年、第42回アングレーム国際漫画祭・最優秀賞(フランス)。
①「童夢」
【コピー】
あらゆるクリエイターに影響を与えた圧倒的画力と物語の構築力。未だ誰にも超えられぬ「漫画表現の到達点」が、完全版にて遂に復刊!
【内容紹介】
[作品解説]
1983年に刊行された瞬間、既存の漫画表現のレベルを一挙にアップデートし、文字どおり「漫画を革新」した歴史的傑作『童夢』。その後20年以上、60刷を超える増刷を重ねながらも、現在絶版状態となっていた本作が「大友克洋全集」の第1期・第1回配本タイトルとして、超待望の復刻刊行。原画から新たに起こした版により画質も向上、厳選された紙質によって印刷のクオリティも格段にアップ。また単行本では未収録となっていた幻の連載時の扉や、2色カラー原画も復刻し再現。さらに著者が単行本カバー用として構想していたイラストをカラーにて完全再現し収録。巻末には著者自身による解説も収録したコンプリート(全集)仕様です。判型は従来の単行本よりもひと回り大きいB5変型サイズ。第15回「星雲賞コミック部門」および「第4回日本SF大賞」受賞作品。漫画史を語る上で避けては通れない記念碑的作品が遂に再臨!
[STORY]
不審死が頻発する郊外のマンモス団地。霊や祟りの仕業か、事故や事件なのかも判らぬまま警察が捜査に乗り出すが、子供たちが無邪気に遊ぶ団地内は一見平和に見える。そんな中、捜査員の目に怪しく映るのは、昼間からブラつくアルコール依存症の男、知的障害と思しき大男、受験ノイローゼ気味に見える浪人生、流産して以来おかしくなったと噂される主婦、ベンチで日なたぼっこする認知症と思しき老人…。またひとり、捜査中の部長刑事が不審死を遂げた後日、家族とともに団地に越してきた少女・悦子は、とある超自然的な力をその身に秘めていた…!
内容説明
幻の扉絵や2色カラーまで復刻した完全版!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねりわさび
88
全集のひとつとして上梓された大友克洋氏の完全版童夢。単行本として未公開だった各話表紙を収録し紙の質も良く、ラストは当時のメイキングよもやま話など収録されており読み応えあり。ビニールカバーのため捲るたびにキューキューと音が出ますがビジュアルはとても綺麗だと思います。気になる場合は面倒ですがカバーをはずして読むなど。とても面白い漫画でした。2022/07/10
keroppi
78
単行本も持っているのに。愛蔵版も持っているのに。ブックオフでこの本を見つけてパラパラと見たら買わずにいれなくなった。だって、各回の扉絵は収録しているし、2色刷りページはあるし、大友克洋の解説はあるし。なんと言っても綺麗。私の持ってる単行本も愛蔵版も変色してきているから。それくらい、この漫画が好き。初めて読んだ時の衝撃は、忘れられないが、今読み返しても、ストーリー展開、緻密な描写、緊張感に引き込まれてしまう。やはり買ってよかった。ブックオフの500円オフクーポンも持っていたし。これ読むとこの全集欲しくなる。2022/05/27
Vakira
65
大友克洋全集の第一回配本はこれ「ファイヤーボール」ではアトムを、「アキラ」では鉄人28号を、そしてこの作品は石ノ森章太郎さんの「さるとびエッちゃん」をオマージュ。主人公の少女がエッちゃん。物理的に接触せずに効く力。引力、磁力、そしてサイコネキス。そのサイコキネキスのSFサスペンスミステリー。もう映画を見ている様。ストーリー、コマ割り、キャラクターの全ての表現が素晴らしい。この完成度が次作の「アキラ」に繋がるのが窺い知れる。そして読者にしか判らないミステリー仕立て。そう、準主役の刑事は最後まで真相を判らない2022/04/07
ホークス
54
大友克洋氏の1980〜81年の漫画。名作と言われる。今年刊行の全集版で再読。昔の記憶を超える衝撃だった。巨大な団地を舞台に、認知症気味の爺さんと、女子小学生が超能力で戦う。戦闘シーンの演出などは今の作品に敵わないだろうが、本作には模倣し難い強烈なリアル感がある。団地のウソっぽい清潔さと生活臭。そこに悪夢がドッと押し寄せる。アル中の父親と子供、障害のあるヨッちゃん、三浪生など多くの住人が巻き込まれる。警察や消防士も、異常過ぎる破壊や殺戮になす術もない。エスパーの爺さんが65歳というのもショック。あと5年か。2022/03/10
空猫
42
再読。『AKIRA』の習作のような作品。舞台は'6-70年代。団地が近代生活が庶民の憧れだった時代。そこで変死、自殺が相次ぐ。事件の周りは日常が変わらず続いて。警察の捜査も始まるが事件は続く。あー子どもが…「無邪気な子どもが最も残酷」…だった。『AKIRA』は壮大すぎての迫力だったが、この作品は身近な所で起きるので共感しやすく、より恐ろしくあった。この話で『童夢』ってタイトルが憎い。傑作。2023/03/28