出版社内容情報
倉橋 燿子[クラハシ ヨウコ]
著・文・その他
倉橋 麻生[クラハシ マオ]
著・文・その他
内容説明
大正から昭和にかけて活躍した教育者・倉橋惣三。子供達の中に眠る可能性を信じ、激動の時代にあっても、「幼児教育とは、人間の根っこを育てること」という信念を貫いた。一方で、息子との関係に悩む一人の親でもあった。遺された日記など貴重な資料をもとに描く、波乱万丈の人生。感動の物語。
目次
東京へ
心の穴
険しきバンカラ道
「メドウ・キンダー・ガルテン」の夢
心の扉
春到来
書庫と園庭
約束
主事の改革
遺跡巡礼
家庭教育案行脚
廃墟からの出発
傷心の祭り
キンダーブック
教育者の心、親の心、子の心
赤坂離宮内幼稚園
焦土から
子供讃歌
著者等紹介
倉橋燿子[クラハシヨウコ]
広島県生まれ。上智大学文学部卒業。出版社勤務、フリー編集者、コピーライターを経て、作家デビュー。講談社X文庫『風を道しるべに…』等で大人気を博した。その後、児童読み物に重心を移す
倉橋麻生[クラハシマオ]
東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、上智大学博士前期課程修了。卒業後、宮内庁に勤務。皇族の事務官として携わる。現在は、企業のESG/SDGs調査の仕事に携わっている。倉橋燿子の長女であり、惣三のひ孫に当たる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shi-
14
かの有名な倉橋惣三先生のお話。 保育の世界において数々の功績と、子供たち、保育に携わる人にとてつもない影響を与えた先生…という事で、とっても偉い人で、さぞかし学問、学問に励んでいた方だと勝手に思い込んでいた。 なんて素敵な方なんだろう、ただただ本当に子供が好きで、人よりその情熱を注ぐことのできる行動力があり、奥様思いの、ある意味普通の人だった。 これ、もっと早く読むべきだったなぁ。 倉橋惣三先生についてもっと知りたいと思える一冊だった。 2023/09/05
なゆ
10
大正から昭和にかけて活躍した幼児教育者、倉橋惣三のお話を孫の妻&ひ孫が書いたものです。子供の頃好きだった本の著者ということもあり手に取りましたが、読みやすく子育てにも心掛けたいこともありました。あれはだめこれもだめと言いたくなりますが、子供の可能性を引き出すことのできる親になれるといいなぁー2022/01/25
spatz
8
彼の人生に深い影響を与えた人々との関わりや出来事、激動の時代背景とを軸に描く。実直で、情熱的で、物事を深く考える人だったのだと思う。何より子供目線で全てを考え、そして時代が招いた圧力にも屈せず、自分の考えを信じて生き抜いた人。自らも一人の親として葛藤しつつ、日本の幼児教育を牽引した人物だということがわかった。キンダーブック、は彼が編集したものだった。まだその概念も仕組みも存在しなかった日本に、幼児教育を導入し、お茶の水幼稚園の主事となる。日本の幼児教育、幼稚園の在り方について研究し、戦った人。 2021/12/27
ドラマチックガス
7
幼児教育界の神、倉橋惣三の伝記…と物語の中間。どこまで史実でどこまで創作かわかりにくいものの、偉人の生涯がわかりやすく読めた。ただ、「上皇さまの教育係」というサブタイトルのせいで色々歪んでしまった気がする。倉橋惣三の凄さというのはそんなところではないはずなのに。買った本屋でも幼児教育コーナーではなく天皇関連コーナーにあった。その方が売れるのか…?2021/12/29
トト
4
上皇さまの教育係と副題にあるが、主体は、日本の幼児教育の父と呼ばれ、大正、昭和と奔走した人物の人生を小説化した大河小説です。とにかく子供好きで、人の良い方で、また恩師や家族やその他関係者にも恵まれており、感動するエピソードも多い。子を育てる心を作る(人になる)とは、恩師の言葉。親は元より、大人みんなが心がけたいことです。2022/02/14