出版社内容情報
「殺しは仕事にしたことがない。殺しをしなかったとはいわないが」。あらゆるトラブルを請け負う男、ジョーカー。着手金は百万円で唯一の連絡場所は六本木のバー。噂を聞いた男と女が今宵も厄介事を持ち込んでくる。ジョーカーを動かすのはプライドだけ――。著者の人気ハードボイルドシリーズ第1作 。
内容説明
着手金百万円で、殺人以外ならどんな厄介なことも請け負う男、その名はジョーカー。今日も、連絡場所である六本木のバーに、一筋縄ではいかないトラブルが持ち込まれる。解決するため動き出したジョーカーの前に、殺しも厭わぬ修羅場が待ち構えていた。熱きプライドを秘めた随一のハードボイルド小説集。
著者等紹介
大沢在昌[オオサワアリマサ]
1956年、愛知県名古屋市出身。慶應義塾大学中退。’79年、小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞し、デビュー。’86年、「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞。’91年、『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門。’94年、『無間人形 新宿鮫4』で直木賞。2001年、’02年に『心では重すぎる』『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。’04年、『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞。’10年、日本ミステリー文学大賞を受賞。’14年には『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
61
新宿鮫に悲壮感があったのは、彼が警官、特にエリート警官だったからだろう。最初からこういう職業なら、バーテンと手を組んでやってくる客を待ちながらお酒を飲んでいる人物でもいける。章ごとに依頼があるのだが、それぞれの終わりが突然で次の章もその続きかと勘違いしてしまうほどだった。少女も含め、女性の依頼が身勝手でそれを聴いてやる必要があるのかという印象。最後のエピソードはあまりに軽すぎないだろうか。2025/08/05
タツ フカガワ
59
殺人以外ならどんな依頼も引き受けるジョーカーと名乗るトラブル解決人。依頼人と会うのは六本木外れに人知れず佇むバーで、マッサージ店の顧客情報流出の犯人探しや、付き合っている男と別れたいという依頼などが、やがて裏社会に繋がっていくノアール的風趣も色濃い6話連作短編集。なにより探偵役ジョーカーの造形が魅力的で、ジョーカー誕生の秘話が明かされる最終話「ジョーカーの伝説」でのハードボイルドな余韻がよかった。2025/07/04
森オサム
33
ザ・ジョーカーシリーズ一作目。93年から02年にかけて書かれた短編集。10年かかっているが、この間の著者は直木賞受賞等絶好調の時期だったのでしょう、本作も中々に楽しめる作品集でした。依頼されたトラブルは何でも解決する、と言う主人公ジョーカーの活躍が描かれたハードボイルドですが、何と言うかこの主人公は超絶クールとか格好良いと言うよりは、少々甘くて緩い。でもこの人間味のある優しさみたいなのが魅力でした。まあでもタフに頑張ってましたし、最終話にはグッと来た。なぜか崩壊していたはずのバブルも感じた、これも大沢節。2025/07/08
サンタマリア
29
ハードボイルド。短編集。どうやら続編があるらしいので、それを買った。2022/10/18
flower0824_
17
着手金百万円で殺人以外のどんなトラブルも請け負う男・ジョーカー。長編かと思ったら、93年~02年の十年間かけて書かれた6つの短編集でした。連絡場所であるバーの沢井が若干お調子者っぽくて、クールな仕事ぶりのジョーカーとはいい関係。最終話のジョーカー誕生秘話が一番良かった。2022/08/07
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