講談社学術文庫<br> 日本の古式捕鯨

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講談社学術文庫
日本の古式捕鯨

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  • サイズ 文庫判/ページ数 160p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065247204
  • NDC分類 664.9
  • Cコード C0120

出版社内容情報

本書の中心は太地五郎作氏の著作『熊野太地浦捕鯨乃話』です。古式捕鯨とそれを行った人々の思考と感情を、内部から正確に観察し繊細に表現した驚異的な著作です。国際社会からの深刻な問い「日本人はなぜ捕鯨をあきらめないのか」という問いに対して、答えるための必読書です。
捕鯨には二つの側面があります。
一つは海中を泳ぐ「富」=鯨を捕らえた後、その富を貨幣へと変えるマニファクチュアの原初形態があったことです。鯨を、肉、油、髭、骨、皮などに分けて、利用しつくすための加工過程のすべてが集合し緊密に組み合わされています。
そして、二つめが鯨を捕るという行為に、組み込まれた「戦争機械」において、人間は媒介を通さず、直接的に自然の力と戦うことです。物理的な力では鯨に劣る人間が、知力をもって集団で鯨に対峙し、執拗な攻撃を加え、鯨を弱らせ、最後に羽刺と呼ばれる若者が海中に飛び込み、一騎打ちをおこないます。その戦いで鯨を仕留めることが、この戦争機械の活動の終了地点となります。
この古式捕鯨の二重構造は、とても日本的と言えるでしょう。非農業的マニファクチュアと農業型ものづくりマニファクチュアは、「半農半漁」を営んでいた海民の生活形態の二重構造と関係が深いと思われます。
以前の輝きを失った日本のものづくりは、農業的マニファクチュアを基礎として発達をとげてきたが、その方法論は、非物質的情報産業が中心の現代では通用しなくなっているのかもしれない。
日本はものづくり、産業の根本に立ち返った自己認識を必要としている。そのとき「異形のマニファクチュア」としてそのレガシーを今日に伝える、太地古式捕鯨の本質を再考することは、未来の文化再生に向けて重要な意義を持つ。本書は、過去を追慕するだけにとどまらない、未来的な意味を持っています。

【目次より】
学術文庫版序文(中沢新一)

太地五郎作『熊野太地浦捕鯨乃話』について

原本口絵より

熊野太地浦捕鯨乃話(太地五郎作)
・太地捕鯨の起源 ・徐福来熊の批判 ・事務所の事 ・大納屋の事
・山見の事 ・沖合の事 ・勢子船の事 ・六鯨の事 ・鯨切り捌きの事
・明治十一年の大惨事
  和田金右衛門「明治十一年寅十二月二十四日 旧十二月朔日也 背美流れの扣へ」
 追 記 ・太地にて初めて洋式にて鯨を捕りたる ・きおいの式
 鯨潮を吹く吹かぬの説に就いて実例を説明して置く

熊野太地浦捕鯨の談
 昔の鯨の捕り方 ・捕鯨の起源 ・熊野捕鯨の終末の原因 ・太地にて初めて洋式捕鯨の事

鯨肉の料理に就いて

原本あとがき

鯨を捕るということ(サイモン・ワーン)

解 説 中沢新一

内容説明

鎌倉時代、北条氏に謀反を企てるも敗北した和田義盛の孫・頼秀が紀州太地で漁業を始める。その後裔が江戸の初期、武芸を海の狩猟に転用し、新しい捕鯨技術を生み出した。西鶴『日本永代蔵』の「鯨ゑびす」へとつながる太地の「マニファクチュア」にセットされた勇壮な自然との関わり方は、日本人にとって特別なレガシーを伝える。

目次

熊野太地浦捕鯨乃話(太地五郎作 述)(太地捕鯨の起源;徐福来熊の批判;事務所の事;大納屋の事;山見の事 ほか)
熊野太地浦捕鯨の談(国立科学博物館滝庸博士のごあいさつ;昔の鯨の捕り方;捕鯨の起源;熊野捕鯨の終末の原因;太地にて初めて洋式捕鯨の事)
鯨肉の料理に就いて―(太地鯨浦(五郎作))

著者等紹介

太地五郎作[タイジゴロウサク]
1875‐1957。下里村郵便局長、勝浦町長などを務めた。郷土史家で、熊野とくに捕鯨の歴史を研究した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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