講談社文庫
盤上の敵 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065231777
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

猟銃を持った殺人犯(黒のキング)が、妻・友貴子(白のクイーン)を人質に我が家に立てこもる。
末永純一(白のキング)は警察を出し抜き、犯人と交渉を始める。
警察とテレビカメラに包囲される中、周到に準備を進める純一が秘す慟哭の真実とは? 
二度読み必至! 本格ミステリの粋を極めた驚愕の北村マジック炸裂!

内容説明

猟銃を持った殺人犯が、妻・友貴子を人質に我が家に立てこもる。末永純一は、妻を無事に救出するため、警察を出し抜き、犯人と交渉を始める。警察とテレビカメラに包囲される中、周到に準備を進める純一が秘す慟哭の真実とは?二度読み必至!本格ミステリの粋を極めた大傑作。極上の北村マジック炸裂!

著者等紹介

北村薫[キタムラカオル]
1949年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。’89年“覆面作家”として『空飛ぶ馬』でデビュー。’91年『夜の〓』で日本推理作家協会賞、2006年『ニッポン硬貨の謎』で本格ミステリ大賞(評論・研究部門)、’09年『鷺と雪』で直木賞を受賞。小説のほかにも、エッセイ、評論、アンソロジーなど幅広い分野で活躍をつづけている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みゆ

82
このお話は…… キツイ"(-""-)" ミステリ的にどうこうよりも、過去エピソードがキツイ。冒頭の前書きに「本によって慰めを得たり、心を休めたいという方にはつらいものになります。そういう方にはこの本は不向きです」と断り書きがあったのですが、まさか北村さんの本でここまでとは思いませんでした。お気を付けください。2023/05/17

geshi

32
帯のハードルが高すぎて超えられなかったな。緊迫した状況だけど純一の心中が分からず独自に動くから、感情移入しにくくサスペンスが高まらない。間に挟まる友貴子のパートが必要なのはわかるんだけどテンポを崩してしまう。20年近く前の作品で男女の強さ論や理解できない悪意について語っているのは先見性ある。チェスをモチーフにしているんだから、もっと盤上の戦い感を強めて欲しかった。ラストに明かされる真実には納得するし、目的のすり替えのミスリードが巧みに仕組まれている。2021/09/21

カノコ

24
自宅に立て籠もった殺人犯から妻を救うため、末永は犯人と交渉を始める。ミステリとしては異例の前書きの通り、この作品には目的のない透明な悪意が人の形になって現れる。それは不可避のギミックのようで、どうしようもなさに心が冷えた。蹂躙する者とされる者の関係、それが反転する構造など、タイトルの通りこれは盤上での戦いであり、その意味でこの作品は寓話だ。しかしミステリとして優れているのは間違いなく、丁寧な文章の中に潜んだ伏線や隙のない描写の数々に舌を巻く。これは悪意の物語だが、終章の美しさに著者の優しさを思うのだ。2024/05/09

ひろ

16
強盗犯を黒のキング、逃げ込んだ先の家主を白のキングとして、その攻防戦を描く。囚われた妻を救うために考え出した夫が奇策とは。単純に対立する構造でなく、何やら思惑が見え隠れし、気になって読む手が逸る。スリリングな戦いの合間には妻の回想が描かれる。はじめはスピードが落ちる印象を受けたものの、終盤に向かうに連れてストーリーの本筋へと合流していく。仕掛けられていた伏線が回収され、提示された情報には素直に驚かされた。これが初の北村薫作品だったのだが、異色作とのことなので、他も読んでみたい。2024/05/11

じーつー

13
まず。 核となる登場人物がチェスになぞらえて設定されるからストーリーを理解しやすい。 第一部で設定される、白のキング、白のクイーン、黒のキング。 主人公は白のキング。 白のクイーンを守りながら、黒のキングを詰めていく。 物語の構図としては家に立て籠られた強盗犯から妻を守るといったもの。 それをチェスの駒に例えて設定されるけど、あれ?黒のクイーンは? そして冒頭に添えられる作者からの前書き。 本によって慰めを得たり、心を休めたいという人には辛く不向きな物語であるということ。 白のクイーンの独白が苦しかった。2021/11/01

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