福島第一原発事故の「真実」

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  • サイズ 46判/ページ数 738p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784065225295
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0040

出版社内容情報

福島第一原発事故から10年。事故発生後、政府事故調や国会事故調、民間事故調などで大規模な検証が行われてきたが、いずれも期間限定の調査にとどまり、事故の全容解明には程遠いのが実情だ。福島第一事故に関する報道も数限りないが、いずれも断片的で、事故の発生原因に肉薄できたものはほとんどない。
 これに対して、NHKスペシャル・メルトダウンシリーズは、日本の報道機関では唯一、科学技術の側面から10年にわたり継続的かつ網羅的に取材を進めてきた。現場で事故対応にあたった東京電力技術者、本店で事故対応を指揮した東電幹部、政治家や官僚、原発の構造やシステムに精通した技術者など、これまでに取材した関係者はのべ数千人に及ぶ。併せて東電内部資料や各種証言録、テレビ会議記録など膨大な第一級資料を収集するとともに、専門家の協力を得て数値シュミレーションを行い、東電発表資料では未解明だった新事実を多数スクープした。こうした取材成果はまさに「NHK版事故調」ともいえる圧倒的な内容になっている。
 事故後10年の節目にあたり、こうした取材成果をもとにして、原点に立ち戻り、事故がなぜ起きたのか、本当に防ぐことができなかったのかを徹底的に検証する。

内容説明

吉田所長の英断「海水注入」はほとんど原子炉に届かなかった。1号機で唯一残された冷却装置は40年間にわたり“封印”されてきた。原子炉を救う減圧装置には、高温高圧になると動作しにくくなる弱点があった。2号機の消防注水の失敗が皮肉にもメルトダウンの進行を遅らさせて「最悪の事態」を防いだ。巨大な津波に備えて、津波対策に着手していた原発があった…圧倒的な情報量と膨大な写真資料満載。思いも寄らない真実が次々明らかに。東日本壊滅はなぜ免れたのか?取材期間10年、1500人以上の関係者取材で浮かび上がった衝撃的な事故の真相。

目次

第1部 ドキュメント福島第一原発事故(想定外の全電源喪失;運命のイソコン;決死隊のベント;ノーマークの水素爆発 ほか)
第2部 検証・事故はなぜ起きのたのか?本当に防ぐことはできなかったのか?(なぜイソコン停止は見過ごされたのか?;なぜイソコンは40年間動いていなかったのか?;歴史から学ぶアメリカ、学ばない日本;ベントはなぜかくも遅れたのか? ほか)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶち

110
多くの関係者への取材、海外の原発機関、調査機関での検証実験、豊富な写真資料と図説が収録されていて、その情報量は圧倒的です。タイトルに"真実"とあるとおり、まさに真実に迫ったノンフィクションです。第一部は、事故の顛末を追体験するかのように刻一刻と悪化する状況が緊迫感をもって迫ってきます。第二部では、事故後10年間に判明した事実に基づく原因分析とその結果が報告されています。私が読み取ったことは "人間は核を制御出来ていなかった" という "真実" です。この本は、幅広い方に読まれてほしい名著だと思います。2022/04/13

きみたけ

78
700頁の大作につきこの冬休みに読むことに。NHKスペシャル「メルトダウン」の取材を元にした本。NHK取材班の総力に脱帽。第一部は福島原発事故の一部始終を紹介、第二部では10年間の詳細な要因分析から、事故を防ぐ手立てが本当になかったのか検証してます。東日本壊滅の最悪のシナリオが回避できたのは、消防注水の失敗や格納容器の繋ぎ目のすき間から圧が抜けたりといった偶然が重なったとの見方。イソコンの定期的な実動作試験をしていれば、あるいはバックチェックによる再評価を東電が真摯に受け止めていれば、重大事故は防げたか。2023/01/01

たまきら

44
私たち都民は「たまたま」避難しないで済んだだけだった…最初から最後まですごい熱量です。故・吉田昌郎元所長への敬意の言葉から始まり、死を覚悟して奔走した現場の人々の姿を、現実的な事故対策を怠ってきた「臭い物に蓋」様の組織(電力会社、政府)対応を、なぜ日本は過ちから学べないのかを膨大な取材でわたしたちに見せてくれるこの本は、決して読みやすい本ではありません。読み終わって呆然とし、ところどころ章を再度拾い読みしながら、いま怒りと恐怖、そして悲しみでいっぱいです。自然災害の多いこの国で、原発は失策です。2022/05/09

バイクやろうpart2

34
『真実』というタイトルに惹かれ3.11、手にしました。つい昨日もドローンで原子炉の中を撮影したことを報道していましたが、あらためて想像出来ない時間をかけて『真実』を追い求めること感じます。その『真実』がこれからの原発安全に活かされることを祈るばかりです。2024/03/23

28
十重二十重に安全の為に装備を強化して備えたとしても、自然の、否、地球の力は薄紙を破るように破壊してゆく。「核のゴミ」を完璧に処理する技術が確立されていない事を見ても、人類は核を制御する術を持っていないという事を踏まえて、「リスクに向き合う覚悟」を全ての人間が持たなければならないのではないだろうか。電気を生み出す電力会社だけでは無く、電気の恩恵に与る私達も「覚悟」について考えなくてはと思う読書だった。技術的に分からないことの方が多かったが、読んで良かった。読み切った。2022/04/26

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